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💜side
テレビ局に着いて、楽屋に入り、受け取ったバラエティの台本を開く。メンバーのいない仕事のときは、いつもより入念にチェックして行くようにしている。プロ意識とか、一言で言ってしまえば単純なものだけど。他の人のホームにお邪魔させてもらう以上最低限の礼儀だと思ってるし、何かミスでもしてグループやアイドルというもの全体に迷惑がかかってしまうようなことは絶対に避けたい、いや、避けないといけない。
楽屋に用意してもらっていたお茶と軽食をつまみながら台本に目を通していると、分からないことというものはどうしても存在するもので。マネージャーも挨拶回りに行ってしまったし、自分ではなんて調べればいいかも分からないし。阿部ちゃんなら分かるかな。共有スケジュールで同じ局にいるのは知っている。グループいち秀才な同期を訪ねるべく、台本を手に腰を上げた。
「ねえね、この部分なんだけどさーーえ、？」
形ばかりのノックをして阿部ちゃんの楽屋のドアを開く。目に映るのは、コートも着たまま倒れ込むようにソファーに上体をあずける阿部ちゃんの姿。近寄っても目を覚ます様子はなく、途端に不安が押し寄せる。
「阿部ちゃん、阿部、起きろって、ねえ」
肩のあたりを何度か叩きつつ、空いている片手で建物のどこかにはいるだろうマネージャーに連絡。何分そうしていたのか、しばらくして阿部ちゃんが軽く身じろいだ。
「阿部？ 阿部、俺の声聞こえる？」
「ぅん……ぁ、ふっか……？」
「良かったぁ……大丈夫？ じゃないか。どこか痛いところとか、苦しいところとかない？」
まだ若干目が覚めきってないのかぼんやりしたままだけど、意識はしっかりしているようでほっと一息つく。良かった、本当に。
「朝、気持ち悪くて……少し、寝ようって、」
言ってる内に気分の悪さも思い出したのか、胸のあたりをしきりに摩る。言われてみれば、顔色が少し悪い、ような気もする。
「そっか。今は？ 気持ち悪いの、まだある？」
「さっきよりは…いい」
「ない、って言わないってことは、まだちょっとはあるってことね。床だと体冷えちゃうし、俺が支えるからソファー座ろ。いけそう？」
小さく首を縦に振ったのを確認して阿部ちゃんの両脇に手を挿し込む。せーの、と声を揃えて引き上げれば、記憶にあるよりもいくらか軽くなった彼の温もりが腕を包む。ちゃんの食べてんのかしら、こいつ。
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素の8LOOMY - とてもおもしろかったです。自分の好きなおはなしでした。 (2023年4月11日 6時) (
レス) @page5 id: 14906cc816 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーちゃん - 最高なお話でした！続きがとても楽しみです！作者さんのペースでいいので、また続きが見れたらいいなと思います😊 (2023年3月30日 10時) (レス) @page8 id: 56981ce0bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結錵 | 作成日時：2023年3月1日 19時
