💚×発熱 with🩷 ページ11
「お疲れ様でしたー」
収録後の雑談もほどほどに、足早に楽屋へ戻る。音を立てないようにそーっとドアを開けば、ブランケットに包まりソファーに横になる薄い体。小さい顔を覆うマスクは少しずれていて、余計に苦しそうな表情にこちらまで調子が悪いような錯覚を覚えた。
「阿部ちゃん、起きて。収録終わったから帰ろ」
「ぅん…さくま、おかえり。…収録、結局行けなくて、ごめん」
「ん、ただいま。気にしないでいーよ。むしろこんな熱あんのに仕事なんてさせられないから」
潤んだ瞳と掠れた声体調の悪さを示していて、可能ならこのまま寝かせておいてあげたいけれど、そういう訳にもいかない。
「熱上がっちゃってるかなー…おでこ触っていい？」
「…やだ、」
まさか拒否されるとは思ってなくて、先走った右手が宙を彷徨う。てか、「やだ」って。あざといな。
「…熱、あるのは分かってるから、触ってこれ以上実感したくない」
佐久間が嫌なわけじゃないよ、と付け加えてくれる優しさが阿部ちゃんらしい。ブランケットを肩から掛けたまま立ち上がった彼を支えて駐車場へ向かう。この後はオフだし、具合悪い阿部ちゃんを一人にできないし。目的地はもちろん俺の家。「気分悪くなっちゃったりしたらすぐ言ってね」と伝えて、いつも以上に丁寧にアクセルを踏み込んだ。
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素の8LOOMY - とてもおもしろかったです。自分の好きなおはなしでした。 (2023年4月11日 6時) (
レス) @page5 id: 14906cc816 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーちゃん - 最高なお話でした！続きがとても楽しみです！作者さんのペースでいいので、また続きが見れたらいいなと思います😊 (2023年3月30日 10時) (レス) @page8 id: 56981ce0bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結錵 | 作成日時：2023年3月1日 19時
