💚×風邪 with❤️ ページ9
「「ありがとうございました！」」
収録が終わり、スタジオを後にしたのが午後10時を少し回った頃。あんまりこういうことは言いたくないけど、疲れた。呼吸を忘れるほどの疲労感。気を抜いたら膝から崩れ落ちてしまいそうで、一歩、また一歩と意識して足を前に出す。明日は久々のオフ。今日は早く寝よう。たくさん寝て、全部明日片付けよう。
決意固く一晩が過ぎ、翌朝。目が覚めると同時に全身を襲った倦怠感。食事を摂らなければ薬も飲めないと分かってはいるけど、何かを用意する気すらも起きなくて再びベッドに沈み込んだ。ローテーブルの上の体温計に手を伸ばす。無機質な画面が示した数字は決して平熱とは言えなくて、マネージャーに発熱を報告するメールを送った。もし、明日まで熱が下がらなかったら、休むことになってしまうかもしれないから。間髪入れずに送られてくる、心配と労いのメッセージ。休憩や移動の隙間に送ってくれているのだろう、メンバーからのメッセージは開く気力もなかった。
結局、何もできないまま一日を消費しちゃったな、とぼんやりとした罪悪感を抱えているとインターホンが鳴った。何か買ってたっけ。マネージャーかな。部屋着のままだけど、まあいいか。重い体をカーディガンに包んで玄関へ向かった。
「良かった、起きてた」
「……舘さん？」
「メールに返信がないから、康二が不安になっちゃったみたい。阿部が一人で倒れてるんじゃないか、って」
聞けば、スタジオで一緒になったときに俺の話題が出たらしい。そこでメールの返信が来ていないのが自分だけじゃないと知って不安になってしまった。夜まで仕事が入っている康二の代わりに舘さんが俺の家を訪ねてみることになった、という経緯があった、らしい。
「良ければ上がってもいい？ マネージャーから阿部が体調崩してるって聞いて、いろいろ買ってきたんだよね」
これ、と物が詰まったバッグを掲げる。今日やろうと思っていた掃除ができてないからちょっと散らかってるけど、って言ったら俺は気にしないよ、だって。かっこいいなぁ。
「じゃあ、どうぞ」
「お邪魔します」
俺の家には何度か来たことある舘さんは、勝手知ったるなんとやら。
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素の8LOOMY - とてもおもしろかったです。自分の好きなおはなしでした。 (2023年4月11日 6時) (
レス) @page5 id: 14906cc816 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーちゃん - 最高なお話でした！続きがとても楽しみです！作者さんのペースでいいので、また続きが見れたらいいなと思います😊 (2023年3月30日 10時) (レス) @page8 id: 56981ce0bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結錵 | 作成日時：2023年3月1日 19時
