よろしい、ならば共闘だ(笑)【鬼滅の刃】

佰漆拾弐 ページ2

善逸視点









俺は目覚めると直ぐに禰豆子ちゃんの箱を探した



寝てる間にAちゃんが頭に手ぬぐいを巻いてくれたおかげで頭の止血は出来た
ちょっとクラクラするけどね

あ、箱だ


禰豆子ちゃんに入って貰い、背負う






箱を探す途中で何かあったみたいで
Aちゃんは今 誰かと戦ってる



急がないと、Aちゃん……！








俺が駆け足で場所に向かうと 煉獄さんが血だらけで座っていて、その横で炭治郎と伊之助が立ち尽くしていた

Aちゃんと鬼は目で追えない程の速さで殺りあっていて
何も出来なかった

いや、動けなかった
下手に動いてAちゃんの邪魔は出来ない









その瞬間

遠くで戦っていたはずの二人は俺の目の前に移動していて


鬼は俺の腹目掛けて腕を伸ばす
Aちゃんは焦った顔をしている


死んだと思った




でも一瞬
瞬きをしたら

二人は遠くに戻っていて


今の光景は幻だったんじゃないかって…









土煙が上がる









……嗚呼、やめてくれ




目の前には大好きな子が苦しむ姿


足が震える


動かない




鬼は何度も何度もAちゃんの名を呼ぶ


鬼になれと繰り返し言う



やめて

やめてくれ


Aちゃんは目を閉じる








伊之助が動く

恐怖と焦りと後悔が混ざった音がする
心臓は飛び出そうなほど鳴っている


炭治郎が刀を見つけ 伊之助の後を追う

怒り狂った音がした
でも恐怖や悲しみの音も鳴る


煉獄さんが弱々しく立ち上がろうとしている

後悔と怒り、絶望
そんな悲しくて泣きそうな音がしていた

俺は煉獄さんを止める
そんな体で動いちゃ駄目だ





俺は最後まで動けなかった



鬼はAちゃんを担ぎ、森の中へと消える

炭治郎はひたすら叫び
追いかけたが……




数分後、泣きながら戻ってきた









そんな俺たちを朝日が酷く照らしていた

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