よろしい、ならば退散で(笑) 【鬼滅の刃】

弐拾漆 ページ27

炭治郎視点






俺は最終選別を受ける為にこの藤襲山という山に来ていた、選別場所まで階段があり それをゆっくりと上りながら綺麗な藤の花を見る
咲く時期じゃないはずなのに…

ふと 視線を感じて前を向くと
同じ最終選別にいく子だろうか

ふわふわと漂う金木犀の様な匂いはこの子のか
それにとても優しい泣きたくなるような匂いもする

高く結んだ 毛先の赤い黒髪を揺らして歩くその子はとても魅力的だった、匂いからして女の子だろうか
服装は男の格好だったが女性独特の柔らかい匂いがしたので女の子だろう

凄いな…俺よりも小柄で華奢な体つきなのに


？「……自分は醜い」

スっと、小鳥のさえずりみたいに和やかで淑やかなだけど凛とした声がした

その子は藤の花を見つめながら 綺麗と言うわけでもなく、ただ自分は醜いと言ったのだ
その子からはすごく胸が締め付けられる様な哀しい匂いがした…その中にも優しさの匂いはあって、俺はまた泣きたくなった

どんな顔か見てみたくて階段を上る速さを進める、その子が最上段を上り終える時 俺は丁度隣にいた

途中誰かの名前を呟いていたが聞き取れなかったが哀しくて苦しい匂いがしたから、その人はもうこの世にいないのかもしれない

しばらくその子を見ているとサッと血の気が引いた様な顔色になり…どんどん哀しさに押し潰されるような匂いになっていく

…大丈夫だろうか
俺は長男だからこういう時どんな感じに話しかけていいかは分かってる、でも迷惑ではないだろうか？

いや…竈門炭治郎
お前は男だろう、こんな事でうじうじしてたらまた錆兎に男じゃないと言われてしまう

なるべく優しく、刺激しないように話しかけたが
その子は少し険しい顔をして

？「言い方……失礼…私は元々この顔…醜い顔」

嗚呼、どうかそんな事を言わないで
君のその優しい泣きたくなるような匂いも髪の毛も顔立ちもとても綺麗なんだから
そんなに自分を蔑む事を言わないでくれ


何とか訂正しようと褒めに褒めると、少し頬を赤らめ やめてと言って来た
ほら、やっぱり可愛らしいじゃないか
君は君が思っているよりとても魅力的だ

家族の話をすると困惑した匂いがした
…この話はまずいな


名前は…A

新しく友達が出来たみたいで嬉しかったが
Aは自分と関わらない方がいいと言って俺から離れてしまった

あまりにも優しい匂いがするから
引き止める事は出来なかった




嗚呼どうか死なないでほしい






七日後また会おうな

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