よろしい、ならば退散で(笑) 【鬼滅の刃】

拾参 ページ13

獪岳視点









それは任務が終わってすぐのことだった




鬼殺隊は常に人数不足で徹夜で任務が続くなんて珍しいことじゃなかった、そんなこと承知でやってるし、仕方がないとしか言えない
最近は一人での任務ばっかりだから気が楽だ
同期は三人ぐらいしかいないが交流は皆無


それに反論出来ないのも知っていながら愚痴愚痴と言ってくる奴らもいる、歳が少し俺より上だからって、
鬼殺隊じゃなかったら即殺してたな
俺より弱い癖にでしゃばって先輩ずらして…
気持ちわりぃ

"カス" の方がまだマシだ


俺が壱ノ型が使えないから
基本の型を使えないから馬鹿にしてくるんだろ
水の呼吸も使いこなせてない奴が、俺に命令すんじゃねぇよ
目障りだ

風の呼吸の自慢してくる野郎もいる
ほんとにうるせえ、俺は雷の呼吸の使い手だ


何が安全に出世したいだ
てめぇみてぇな野郎は柱なんかになれねぇよ
嗚呼……

ひねくれてる？クズ？弱味噌？
お前らだけには言われたくないな
その言葉そのままそっくり返してやるよ

クズでも生きていれば…
生きていれば…どうにかなるんだよ



三徹目の任務終わりにそんな事を考えていた
最近は飯もまともに食ってない

…なんか頭が……




そこで俺の意識は途切れた
目の前に家があった様な…気が…したが…








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目が覚めるとパチパチと音を鳴らす火鉢が目に付いた、ここは？藤の家紋の家では無さそうだが…


ムクリと起き上がると隊服が脱がせられたようで、白の「しゃつ」というやつに羽織を着ていた
思わず声を洩らす

それで気づいたのかは知らないが明らかに血のついた襖を開けられ、恐らく歳の近い女が(服は男物だった)こちらを見ていた

少し間が空いたが俺の身体を心配し、ここがどこなのかを教えてくれた

見ず知らずの人を助けるなんて…よほどのお人好しか、見返りを求めるクズか…
顔を見る限り見返りを求める奴には見えないが、心の内までは分かるまい



……だが本当にただのお人好しだった
しまいには友達になりたいとか言ってきた

どうやら捨て子でこの家も自分のものでは無さそうだ
、しかし苗字はある


そのあとも湯浴みしてこいとか、うどん食べるか？とか…なんなんだこいつは
お人好しで馬鹿で……

でも、嫌いじゃねぇな…こういう奴は

こいつなら…
分かってくれるだろうか


"特別" になれるだろうか…





友達…か、悪くないな

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