【アイカツ！】空への一歩！！

9話 ページ11

わたしはやっとのことで自室に戻った。


ベッドにダイブするころには涙が溢れた。




悔しい。

悔しい……！


どうすれば追いつける……？

どうすれば追い越せる……？



誰か教えて？



わたしはどうしたら変われるの？


誰に聞けばいいの？





わたしの新しい生活は苦いスタートを迎えたようだった。




『こんなはずじゃ……なかった…のに。』

そう言うとまた涙がにじむ。




売れっ子アイドルのみんなはどんな風にしてきたんだろう。


こんなことあったのかな？




みんなにはオーラがあるし、

キラキラしてるし……


何もかも成功してきたのかな。







(コンコン





だれ……？

少し1人にしてほしい…かも。


そう思ってわたしは居留守を装う。






(コンコン


「風沢？いるの？」



この声は。






わたしは急いでドアを開けた。


『お、織姫学園長…！
その……どうかしました、か？』




まさか今日のステージのこと……？

わたしに諦めるよう薦めるのかな。


そんな思いがよぎる。



織姫「どうもこうも……。

あなたに1つ、手紙が来てるのよ。

"とりあえず会いたい"ってメッセージが。」



そう言って学園長が差し出した封筒には、

風沢A様、光石織姫様へ……。

と、書かれていた。



『わたし、に？

読んでみてもいいですか？』


織姫「もちろんよ。」



" 風沢Aさん へ


今日のステージは最高だったね。

君はまるで…輝く前の原石だ。

磨けばなんにでもなれる。

翼を渡せば大空へ羽ばたくことも簡単だ。

君のステージには賛否両論あると思う。

でも僕には光って見えたんだ。


そこでなんだけど。

僕に君を磨く手伝いをさせてもらいたい。

どうして、って思うかもしれないけど…。

直感で君が欲しいって思ったんだ。

僕は今デザイナーをやってる。

君に僕が作ったドレスを着て欲しい。


だからもう一度、君に会いたい。"



そう書かれていた。

最後の文にはどこかの住所が記されていた。



織姫「差出人は"聖沢輝夜" と書かれていたわ。

まだデビューしたばかりのデザイナーらしいけど、

せっかくあなたに会いたいと言ってくれてるのだから……」


『行きます、わたし。』



織姫「ええ。会う価値はあると思うわよ。

明日にでも行ってみなさい。」


『……はい！』


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