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その日の夕方。
昨日と同じ階段、昨日と同じ扉の前。
結局来てしまった。
まだ夕方だし流石にあの人はいないよね。
とりあえず支払いの確認だけしたらすぐ帰ろう。
カランカラン
JN「お!いらっしゃい。昨日ぶりだね」
中に入るとお客さんは誰もいなくて、
昨日の店員さんひとりだけだったからほっとした。
『あの、お聞きしたいことがあるんですけど…』
JN「うん?」
『昨日のお会計って…』
JN「あー、それならテヒョンからもらってるよ」
『テヒョン?』
JN「うん…」
TH「A、来てくれてよかった」
『ひっ…』
いきなり聞こえたお兄さんの声に体がビクッと跳ねて、
一気に血の気がひくのを感じた。
完全に油断してた。
というかこの人今カウンターの奥から出てきたよね。
もしかして店員だったの…
JN「テヒョンよかったね。お前のかわい子ちゃんがこんなに早く来てくれて」
TH「ヒョン、奥のテーブル借りていい?」
JN「どうぞどうぞ」
いや、よくないよくない。
今世界で一番会いたくない人が誰かって聞かれたらこの人だよ。
でもこうして会ってしまったからにはちゃんと謝罪しないとだめだよね…
私は逃げ出したい気持ちをグッと堪えて、お兄さんと向かいの席に腰を下ろした。
TH「ずっとAからの連絡待ってた」
『どうして私の名前…』
TH「もしかして覚えてない?」
『ごめんなさい。昨日の記憶はほぼなくて…お兄さんにはご迷惑をおかけしました』
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作者名:抹茶 | 作成日時:2022年2月11日 16時