純愛サクセション【TH】 (ページ7)

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『ただいまー』

YG「おかえり…お前が朝帰りなんて初めてだな」

『あれ？オッパがいる』

YG「休みだから」

そっか…今日は土曜日か。

コーヒー片手にソファーでまどろむユンギオッパは同じ児童養護施設の出身で、

先に施設を出て働き始めたオッパが「うちに住めば家賃浮くだろ」って言ってくれてこの家に転がり込んだ。

普段はそっけないけど優しくて頼りになる大好きなオッパ。

YG「ひどい顔だな。どうせ酔い潰れて友達のところにでも泊まってきたんだろ？」

『あ、うん』

YG「ったくほどほどにしろよな」

『うん…ねぇオッパ。お会計した記憶がない時って払いに行った方がいいよね？これって食い逃げになる？』

YG「お前そんなになるまで飲んだの？だれと？」

『…っ、ソヨン！ほら大学で一番仲良い子』

嘘はついてない。

YG「ふーん…その友達に確認すればいいだろ」

『…そ、そうだよね。そうする』

って言っても確認しようがないんだけど。

YG「なんか食う？」

『うん…オッパの雑炊食べたい』

YG「仕方ねぇな。作ってやるから待ってろ」

『ありがとオッパ！』

オッパがいなくなったソファーにぼふっと体を沈めて、

何気なくテレビに目をやると映っていたのは色鮮やかな絵画だった。

「今朝の特集は世界で活躍する芸術家。今話題のVさんを紹介します。

Vさんはここ数年で爆発的な人気を誇る画家でその正体は一切明かされていません。

風景画しか描かないことで有名ですが代表作の〝記憶〟はオークションに出品され数千万円の値がつけられています」

綺麗な絵…

でもこの景色、どこかで見た気がする。