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TH「………」
『嫌だったらいいのっ!変なこと言ってごめんね』
TH「…嫌じゃないよ。隣行っていい?」
『うん』
自分から見たいって言ったくせに、
いざテヒョンが近づいてくるとまた心臓がうるさくなる。
ブランケットに包まったままソファーの端に移動して
テヒョンの分のスペースを開けると、
TH「そんな端っこ行かなくていいのに」
ってくすくす笑われた。
テヒョンは私の目の前でバサっと上着を脱ぎ捨てると、
ソファーに腰掛けて
TH「好きなだけどうぞ」
って私に背を向ける。
ちらっとテヒョンの方に視線を向けると
程よく筋肉のついた男らしい背中が目に入って、
そのまま目を凝らすと
癒えたけど決して消えはしない傷痕の数々。
テヒョンの心に刻まれた痛みが
その背中からひしひしと伝わってきて
苦しいくらいに胸が締め付けられた。
その背中に吸い寄せられるように抱きつくと、
TH「昔もそうやって抱きしめてくれた…」
心なしか泣きそうなテヒョンの声。
私はそんなテヒョンにかける上手な言葉が見つからなくて、
返事のかわりにテヒョンを抱きしめる腕に
ぎゅっと力を込めた。
私たちの素肌を隔てるのはブランケット一枚のみで、
テヒョンの体温がゆっくりと私の体に伝わってくる。
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作者名:抹茶 | 作成日時:2022年2月11日 16時