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そうだ…そうだった。
テヒョンも確かにここにいた。
今座ってる席に昔も座っていて
その隣にはいつも…私がいた。
記憶の中のもやが晴れて
ばらばらだったパズルのピースがひとつずつはまっていく。
小さな手で鉛筆を握るテヒョン。
楽しそうに絵を描くテヒョン。
私が描いた下手な絵を見て笑い転げるテヒョン。
両親を思い出して泣く私を
テヒョンはいつも抱きしめてくれた。
テヒョンが悪夢にうなされた夜は一緒に寝て、
いい夢だけを見られるようにって私が抱きしめてあげた。
テヒョンが時々見せた寂しそうなあの瞳。
私…なんでこんな大事なことを忘れてたんだろう…
「ふたりは随分久しぶりに会うのかしら？」
『あ…うん』
「そう…たいしたものはないけどたくさん食べて行ってね。そうだ、お祝いのケーキもあるのよ。取ってくるわね」
あの頃と同じようにテヒョンの隣に座ると
しっくりくるこの感じ。
いつも一緒にご飯を食べて…
ああ…そっか。
だから私のアレルギーも覚えてたんだ。
私は何もかも忘れていたのにテヒョンは全部覚えてた。
きっと怒ってるよね…
肩が触れそうなほど近くにいるのに、
今は隣を見るのが少し怖い。
TH「俺たちここで会うのは久しぶりだね」
『そうだね…テヒョンは全部知ってたの？』
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作者名：抹茶
| 作成日時：2022年2月11日 16時
