純愛サクセション【TH】 (ページ12)

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12 TH side ページ12

TH「A？どこかで酔い覚ます？」

『…うん』

仕方なく近くのホテルに入ってAをベッドまで連れていく。

少し休んで酔いが覚めればいいし、

そのまま寝てくれたらもっといい。

Aの蒸気した頬も潤んだ瞳も、

その全てが俺の理性を壊す武器になるから

気を抜いたら終わりだ。

『んん…』

TH「水飲む？」

『のむ…』

Aは俺が渡したペットボトルの水を一口飲んだあと、

俺の方をじっと見つめて

『さみしい…』

そうつぶやいた。

TH「今は休もう。ね？」

『お兄さんが聞いた…寂しいのって』

TH「A…お願いだから寝て」

このままじゃ危険だ今すぐ離れろ…

俺の脳内で赤信号が点滅してる。

『全部寂しい…心も体も…お兄さんは？』

TH「……俺はずっと寂しかったよ。Aに会えなかった時間ずっと」

つい本音を漏らした瞬間、

Aが俺の腕をぐっと自分の方に引き寄せて

俺の体はそのままAの上に倒れ込んだ。

とっさに体を離そうとすると唇に柔らかい感触がして、

『…んっ、キスいや？』

Aの物欲しそうな上目遣いに、ギリギリ保っていた理性にヒビが入る。

TH「…いやじゃない」

Aが酔っているのをいいことに自分の中で醜い欲が生まれて、

Aが俺を求めてる…そう錯覚したらもう止めることなんて出来なかった。