後程 * ページ4
二人は人を待っていると言うので、俺もあちこち動けないから、一緒に待機していた訳だが、
破壊音や煙、上空をドラゴンが通り過ぎていくのを見て
明らかに周りの状況が悪化しつつ有ることを流石に無知な俺でも感じられた。
帽子男は
辺りを見渡しながら
銃男に言葉を投げた。
「まだかな。オイ、ヤバくないか。」
銃男は腕を組み返事をした。
「ヤベーな。ヤベーよ。俺らだけで行っちまうか。」
端から見れば危機感無しの会話に聞こえるのは俺だけだろうか。
疑問が浮かんだが、銃等々持ってるような危なっかしい人達だからそういうものなのかと
俺は勝手に納得した。
「此方です!早く!早く乗ってください!」
何やら声がしてそちらを向くと眼鏡の男と黒髪の美形の男が
外人さんのご老体二人を連れて此方の荷台に来ていた。
すると、銃男が美形男を指差し、俺に言った。
「彼奴さ。詳しい説明を出来る奴っていうのは。」
それは朗報!と思い、俺は急いでご老体達と話している彼の元に向かい、彼の怪訝な顔も無視をし、先程まで溜まっていた疑問を一気に噛みつくようにぶちまけた。
「初めましてと言いたい所ですがまず答えてください!此処は何処ですか!何で町が燃えてるんですか!何でドラゴンが飛んでるんですか!何で豚人間さんが襲って来るんですか!そして、貴方達は一体全体誰なんですか!」
息をせずに連呼したせいか、はたまた周りが燃えて煙が出ているせいか、わからんが、苦しくて一寸咳き込んだ。
そんな俺を見て、男は口を開けたままだったが、我に返った様に今度は男が噛みつかん勢いで俺に迫った。
「もしや貴方…漂流者?」
その台詞に俺はまた意味不明になった。
どり…何だって?
意味不明な単語を出され
もう本当に意味不明だ。
いや、なんかもう意味不明しか俺感じてない。
呆然としていると、帽子男が俺達に言った。
「おい!そろそろホントにヤバいぞ!早く乗れ!」
その言葉を聞き、美形男は俺の身体をグイグイと荷台の方へ押し付けた。
「今は時を争います。詳しいことは後程。」
納得いかない所はあったが、先程銃男が撃ち殺した豚人間の死体を見たら
得体の知れない恐怖がよぎったので
急いで荷台に飛び乗った。
「脱出!!」
美形男の凛とした声が響いた。
同時にガタガタと荷台は馬に引かれ、
道中にある人の死体や化物の死体を
蹴りあげながら
進んだ。
正直言って吐きそうだ。
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猫目石(プロフ) - 再連載、めちゃくちゃ楽しみに気長に待ってますね (2022年2月9日 7時) (レス) @page27 id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)
りのく(プロフ) - 更新お疲れさまです!楽しみな作品なので続きが読めて嬉しかったです。これからもどうかお体をお大事にしつつ頑張ってくださいませ……! (2021年12月20日 13時) (レス) @page27 id: b546459b7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:陣羽織 | 作成日時:2019年3月26日 23時