そーりー ページ23
オルミーヌちゃんと別れ、私は与一さんと二人きりになった。
一時の沈黙が続いたので、私は何となく落ち着かず、周りの景色をチロチロと見ていた。
「あの襲撃の夜、妖しい男に会いませんでしたか？」
やっと響いた与一さんはそんな事を聞いてきた。
あの時…？
と私は考え、腕を組んでみると、ピンと一つ頭に
月を背に立つ男の瞳が浮ぶ。
長い綺麗な髪をなびかせていた。
「はい…会いました。変な人でしたよ。廃棄物なのか漂流者ハッキリしなくて…。」
言い掛けた所で、与一さんは私の両肩を掴んだ。
力が籠っているらしく、一寸痛かった。
「あの人には、関わってはいけない。…あの人の瞳に映ってしまったら、貴女は…！」
与一さんは苦しそうな顔をし、何か言葉を呑み込み
うつ向いた。
「大丈夫ですか…？与一さん…。」
心配で顔を覗き込むと、彼はなんとも言えない顔で
すみません
と呟いた。
与一さんはきっと、私を心配してくれたのだろう。
私はいつも勝手な事ばかりをするから、どうにも負荷を掛けされてしまう。
内心謝りながらも、私は
下がった空気を盛り上げようと、
話題を転換した。
「与一さん！あの、えーと…ほら！鳥の群ですよ！き、綺麗に飛んでますねー。」
アハハと誤魔化すように笑い、横目で与一さんを見れば、
彼は一瞬驚いた顔をしていたが、
直ぐ、口を弧の字に曲げた。
「…はは。獲りますか？」
「いやだなー。可哀想じゃないですかー。」
重苦しい空気は何処へやら、何時もの
感じに戻れた。
彼の言葉尻が気になるけど、
今は少し笑っていたい。
与一さんは多分何かを隠している。
けど、多分、こうやって笑い合っていれば、そのうち教えてくれるかな
なんて期待している。
ごめんなさいね…。
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猫目石(プロフ) - 再連載、めちゃくちゃ楽しみに気長に待ってますね (2022年2月9日 7時) (
レス) @page27 id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)
りのく(プロフ) - 更新お疲れさまです！楽しみな作品なので続きが読めて嬉しかったです。これからもどうかお体をお大事にしつつ頑張ってくださいませ……！ (2021年12月20日 13時) (レス) @page27 id: b546459b7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陣羽織 | 作成日時：2019年3月26日 23時
