ヨシヨシ ページ22
「なんかAさんって、豊さん達に褒められたり頼まれたりすると、凄く嬉しそうですよね。」
「え！？」
豊さんの元を離れ、ハンニバルおじいちゃんの手を引いている時
オルミーヌちゃんがふと
そんな事を言うものだから、
私は図星を晒す様にピョンッと跳ね上がってしまった。
「いや、その…嬉しいと言われれば嬉しい？のですか…ね。でも、うん。はい…？なのか…」
もうすでに二十になった大人が他人に褒められて嬉しいだなんて言えるわけがない。
ついつい恥じらいで口をすぼめてしまう。
ソワソワしていると、オルミーヌちゃんは微笑んで、口を開いた。
「その気持ち、解ります。」
優しい口振りに何となく引いていない事が解る。…良かった。
胸を撫で下ろしている私を他所にオルミーヌちゃんは話を繋げた。
「私も、お師匠様から褒めて貰った時凄く嬉しいです。なんか、足の先から頭のてっぺん迄、熱いものが沸き上がって来る感じがするんです。」
…解る。
そう思った。褒められると無償に体が熱くなる。
嬉しくて、認めて貰っていると感じる。逆に、怒られたり悲しくなったりすると、恐ろしいほどに体が凍る。
自分は欲しがりで食いしん坊だ。
酷く、醜くて何をしでかすか分からない。
怖いなぁ。
「何でしょうね。あの熱って。」
「ねー。不思議ですね。」
二人で顔を見合わせてクスクスと笑うと、後ろにいたおじいちゃんが
くしゃみをしたから、余計笑ってしまった。
廃城に向かう道中、談笑していると、
遠くから与一さんが見えた。
手を振ると、てっきり振り替えしてくれるかと思ったが、彼は真っ直ぐに私の方へ向かってきた。
あっと言う間に詰められた距離で
初めて与一さんの声を聞いた。
「少し、良いですか。」
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猫目石(プロフ) - 再連載、めちゃくちゃ楽しみに気長に待ってますね (2022年2月9日 7時) (
レス) @page27 id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)
りのく(プロフ) - 更新お疲れさまです！楽しみな作品なので続きが読めて嬉しかったです。これからもどうかお体をお大事にしつつ頑張ってくださいませ……！ (2021年12月20日 13時) (レス) @page27 id: b546459b7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陣羽織 | 作成日時：2019年3月26日 23時
