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「もうちょいだよ」
「しゃけ、高菜」
あれから数週間後、私達は、二人で少し遠出をしていた
私の呪力が完全に回復するのにはまだ時間が掛かるため、約２ヶ月任務はない
任務がない今のうちにと、狗巻と相談して出掛けた
右手には花束、左手は狗巻と手を繋ぎ、目的地を目指す
さっき、彼方家には行ってきた
彼方家の術師、使用人、女中に、狗巻と交際をしているという報告を
ついでに、クソ親父の仏壇に手を合わせた
そして次に向かうのは──────
「···ここだよ」
目の前に佇むのは、�爐△了��瓩稜冱�
その廃墟を抜けると、辺り一面に広がる花畑
そう─────
─────悠斗が亡くなった、あの場所
この季節は本当に綺麗だ。毎年来ているが、全く飽きない
あの時から、あの瞬間も、今も
この幻想的な風景は、いつまでも続いている
「···今年も来たよ、悠斗。ちょっと去年より遅れたね、ごめん」
そう呟いて、あの日、悠斗が倒れた場所に花束を手向ける
白薔薇５本と、百合が一本の花束。とても綺麗だ。
でも、この景色には敵わない
「今日はね、人を連れてきたの。悠斗にどうしても会わせたかった人」
「狗巻棘────私の、大好きな人」
狗巻はその場で手を合わせ、目を瞑る
ありがとう、狗巻
暫くすると顔を上げる
「ツナマヨ」
そう言って、立ち上がった
「なんて言ったの？」
「おかか」
教えてあげない、と狗巻の声を聞きながら、どちらかともなく手を繋ぐ
お互いの指を絡める。恋人繋ぎというやつだ
ぎゅっと握って、花畑に背を向けた
❮────幸せになって────❯
背後で聞こえた声に振り向くが、そこには誰もいない
「？」
隣では、狗巻が私を見て首を傾げている
脳裏に過る五条センセーの言葉
『愛ほど歪んだ呪いはないよ』
自然と、笑みが溢れた
愛ほど歪んだ呪いはない、とは、よく言ったものだ
「────なんでもないよ。行こう、狗巻」
「？しゃけ」
もう一度、お互いの存在を確かめるように手を握る
「狗巻。私達────」
「一緒だよ」
「···しゃけ」
頷いた狗巻に微笑むと、狗巻の顔にも優しい笑みが浮かぶ
──────悠斗。私、幸せになるよ
もう一度だけ、�獻��瓩梁減澆魍里�めるように、手を絡めた──────
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征羅(プロフ) - 瑚々さん» ありがとうございます！最高だと言って頂けて嬉しいです！ (2022年2月27日 0時) (
レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
瑚々(プロフ) - 面白すぎて全部一気読みしちゃいました！ストーリーが作り込まれてて読むのがとっても楽しかったです。めちゃめちゃ最高でしたっ！！ (2022年2月26日 9時) (レス) @page48 id: f929b89200 (このIDを非表示/違反報告)
征羅(プロフ) - 早桃さん» ありがとうございます！ (2021年12月24日 6時) (レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 完結おめでとうございます！！！最高でしたァﾞァﾞァﾞ！！！！！ (2021年12月24日 0時) (レス) @page48 id: 4396483284 (このIDを非表示/違反報告)
征羅(プロフ) - 雪音さん» ありがとうございます。楽しんでいただけてよかったです。 (2021年6月25日 7時) (レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：征羅 | 作成日時：2021年4月24日 1時
