１２３ ページ40
狗巻が、私の体を抱き締めている
当の狗巻は、私の肩に顔を埋め、泣いていた
私はポケットから手をだし、恐る恐る狗巻の背中に手を回した
すると、私を抱き締める力が強くなる
体が少し痛むけど、そんなこと、今は気にならなかった
泣き続ける狗巻の背中を、私は、あやすように擦っていた
·
「···落ち着いた？」
「···しゃけ」
暫く泣き続けた狗巻だったが、ようやく落ち着いた様だった
ゆっくりと、私は狗巻から離れる
放された狗巻は、少し寂しそうな顔をした
違うの、突き放すんじゃない
「···やっとわかったんだよ、自分の気持ち」
狗巻は目を見開く
もう隠さない。言うんだ、自分の気持ち
「気付かなかっただけだった。ずっと。···悠斗を言い訳にしてた」
「悠斗は好き。好きだけど、違う。私はずっと、後悔と償いで、悠斗を想っていただけだった」
「自分が殺してしまったっていう申し訳なさで、せめてもの償いとして想っていただけだった。···純愛、なんかじゃなかったの」
「でもやっとわかった。こんな想い、悠斗はいらない。悠斗は、いつでも私を後押ししてくるって」
「違うんだよ、なんて言ってごめん。前言撤回」
「違うけど、似てるんだね。私達」
「私、ずっと狗巻が好きだったよ」
「今更でごめん。だけど私、っ！？」
私の言葉を遮るように、狗巻が飛び付いてきた
ぎゅーっと、抱き締めたあと、口元を隠している襟をチャックをおろして────
『す き だ よ』
また、そう言ってくれた
「···私も好き。付き合ってくれる？」
「···しゃけ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 432人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
征羅(プロフ) - 瑚々さん» ありがとうございます！最高だと言って頂けて嬉しいです！ (2022年2月27日 0時) (
レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
瑚々(プロフ) - 面白すぎて全部一気読みしちゃいました！ストーリーが作り込まれてて読むのがとっても楽しかったです。めちゃめちゃ最高でしたっ！！ (2022年2月26日 9時) (レス) @page48 id: f929b89200 (このIDを非表示/違反報告)
征羅(プロフ) - 早桃さん» ありがとうございます！ (2021年12月24日 6時) (レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 完結おめでとうございます！！！最高でしたァﾞァﾞァﾞ！！！！！ (2021年12月24日 0時) (レス) @page48 id: 4396483284 (このIDを非表示/違反報告)
征羅(プロフ) - 雪音さん» ありがとうございます。楽しんでいただけてよかったです。 (2021年6月25日 7時) (レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：征羅 | 作成日時：2021年4月24日 1時
