似てるんだね【狗巻棘】

７９ ページ45

────────


「···よぉ」


「あ、おはよー真希さん！」


朝起きて準備をして教室へ行こうと部屋を出ると、隣から真希さんも出てきた


「教室行く？私も行くの！一緒に行こう！」


真希さんの手を引いて歩くと、後ろからため息が聞こえた


「お前、朝から元気だな···」


ほんと悟に似てる、と言った真希さん


···似てる？嬉しくないけど、まぁ一緒に居た時間は長いし···


でも、元気なのはきっとそうじゃない


五条センセーに似てるとかじゃなくて···


「私、今まで友達っていなかったから、真希さんと友達になれて嬉しいから、元気なんだよ」


眼は真希さんからは見えてないけど、満面の笑みを向けると、今度は逆に私が手を引かれた


「···そ。じゃあずっと元気でいろよ」


顔は見えないけど、そう言った真希さんの手を握り返す


うん、っていう意味を込めてと、とっても嬉しくて



·



「真希さん、昨日のココアどこで買ったの？」


「あれは高専の自販機に売ってるぜ」


「ここに自販機なんてあんの？」


「悟に教えてもらわなかったのかよ」


「聞いてなーい」


あの野郎···と呟くと、口調戻ってんぞー、とつっこまれた


おっと、いけないいけない


「そんじゃ、今度教えてやるよ。高専内諸々」


「わーいありがとう真希さん！」

８０→←７８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す