似てるんだね【狗巻棘】

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「···じゃあ、私が一緒にいてやる」


「え？」


上を見上げて禪院真希サンの顔を見ると、とても真剣な顔をしていた


そっぽを向いていた筈の顔は、私をしっかりと見つめていた


「誰にも愛されていないなら、私が愛してやる。誰からも特別に思われてないなら、私が特別に思ってやる」


「私はいずれ禪院家当主になるんだ。そしたら、こんな男尊女卑社会変えてやる」


「うわべじゃねぇ、お前が信じられるように、お前がちゃんと実感できるように接する」


「お前の術式は特別なんだよ。その術式で、何人もの人を助けられる」


「自分を、私達を信じろ」


「私はどんなお前も受け入れる。弱いお前も、女のお前も」


「だから、家の奴等のことなんて忘れろ」


「お前には、悟も、私達もいるんだ」


「辛いなら言え、頼れ」


「受け止めてやっから」


私の目隠し越しの眼を真っ直ぐ見つめて言う禪院真希サン


「···本当？」


「···当たり前だ。仲間だぞ」


『仲間』


そんな存在が、自分にはいなかった


こんなことを言ってくれる存在も、私を受け止めてくれる存在も


五条センセーだけだったんだ


目元が濡れてくる


「···なんだか、プロポーズみたいだね」


「はっ！？もうお前なんて知らねぇ！勝手に一人でいやがれ！」


「ごめんごめん！冗談だよ」


泣きそうで、誤魔化しただけだよ


「···真希さんって、呼んでもいい？」


「···好きにしろ」


「うん。じゃあ真希さんも、私のこと好きに呼んでね」


「···わかった、A」


─────確実に深まった仲に、笑みが溢れた

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