似てるんだね【狗巻棘】

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「禪院サンは···なんで呪術師やってるの？」


「いや、嫌味とかそういうじゃなくて、」


「嫌がらせだよ」


悪いように捉えて、嫌味にならないよう弁解しようとすると、私の言葉を遮って言った禪院真希サン


···え？


「見下されてた私が大物術士になってみろ。家の連中がどんな面すんのか、楽しみなんだよ」


ニヤリ、と悪い笑みをした禪院真希サン


予想外の理由に、ポカーンとだらしなく口を開ける


「ふふっ、あはは、あは！」


「なんだよ、笑うんじゃねぇ」


なんだがおかしくて笑ってしまうと、バコンと頭を叩かれた


「ごめんごめん！違う、馬鹿にしてるとかじゃなくて！」


そう言って私は、缶を強く握った


「···すごいなぁ、と思って」


「···昨日禪院サンが言ったこと、図星だったの。ハブられてて、友達なんて居なかった」


「本当は、自分が不幸だって、心の底では思ってたんだ。家では凄く優遇されて、特別扱いされてたから、正直色々舐めてたし、調子のってた」


「···でも私、知ってたんだ。それが全部、上辺だげなんだって」


「蝶よ花よと育てられたのは上辺だけ。皆腹の中は真っ黒」


「呪眼が使えても、皆どこか、女だということに納得がいかない」


「本当は誰にも愛されていなくて、誰からも特別に思われてない」


「···そんなんだったら、呪眼なんていらなかった」


「···そう、思ってた。だから、不幸だって思ってんだ」


「知ってるよ。女だと、呪術師のスタートラインにすら立てないこと」


「···そんな男尊女卑社会に、嫌気が差していたりもして」


「···嫌がらせ、かぁ」


「凄いなぁ。私だったらとっくに諦めて、家の犬にでもなってるよ」


ははっ、と自嘲気味に笑う


「···じゃあ、私が一緒にいてやる」

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