似てるんだね【狗巻棘】

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「そうかっ！それはっ、たのしみだねっ！」



言葉と共に、手を一度大きく振って長い爪で空を引っ掻く


すると、引っ掻いた所から風が起こり、風は爪痕のように変形して、襲ってきた


両腕で首から頭を庇いながら、呪力で体を守る


「いっ···！」


呪力で大きな怪我は防げたものの、両腕、顔に所々切り傷ができる


なんだこれ···術式？


でも、アイツが起こした風から呪力は感じなかった


じゃあ、どういう···


「僕のこれは術式じゃないんだ」


私の思考を読み取ったかのように、アイツは口を開いた


術式···じゃない···？


「これは僕の実力。呪力関係なしに、僕が会得した技さ」


「もしかしたら、呪霊(僕)だからできた特別な技かもしれないけどね」


ほんと、苦労したよと、ため息を吐いたアイツ


···舐められてるってことでいいよな


ハッ、と、乾いた笑い声が出た


「···本気だせよ」


そう言うと、アイツは首を振った


「僕が本気だしたら、A死んじゃうでしょ」


「····そうかよ。んじゃ、」


「後で後悔するんだな」


そう吐き捨て、アイツに飛びかかった


ただただ、呪力のこもった鉄パイプを勢いに任せて振る


それを、アイツは簡単に受け、避けた


「ほらほら頑張って！そんなんじゃ当たんないよ！」


「っるせぇよ！！」


カーッン、と、鉄パイプが床に叩き付けられた音が響く


ッ避けられた！



「····形勢逆転と行こうか」



目の前には、不敵な笑みを浮かべたアイツが、手を振りかざしていた

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