似てるんだね【狗巻棘】

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案の定、教室には誰もいなかった


誰もいない教室を、夕日が照らしている


私は自分の席に座って、机に顔を伏せた


なにも聞こえない無の空間で、じっと顔を伏せていた


するといきなり、カコン、という音がすぐ近くでした


顔を少しだけあげると、私の目の前に缶ジュースが置いてある


そして机の前には、禪院真希サンが立っていた


「···やる」


そっぽを向いて、その缶ジュースを私に差し出す


激甘ココア、と書いてあった


「···なんで私が甘党だってわかったの？」


「悟が甘党だからな」


その缶ジュースを受け取って、開ける


カコッ、という音が響いた


「···あまっ」


一口飲むと、口いっぱいに甘さが広がる


···かなり好き


「···五条センセー、これに角砂糖３つくらい入れる」


「想像しただけで吐きそうだな」


そうだね、って笑って


「五条センセー、クリームパンに生クリームかけて食べるの」


「糖尿病なんぞ」


「それで私はクリームパンに砂糖かけて食べる」


「お前も糖尿病なんじゃないか？」


そうかも、って笑った


そして、沈黙が続く


だけど、苦ではなかった


「···悪かった」


沈黙を破り、禪院真希サンが呟いた


「···ううん。私も悪かった」


「···ごめん、なさい」

俯いて謝ると、ポン、と頭に手がのせられる


「じゃ、お互い様だな」


ニヤッ、って、いたずらっ子みたいに笑った禪院真希サンの顔がカッコよくて、見惚れてしまった

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