似てるんだね【狗巻棘】

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ギシギシとなる校舎を暫く歩くと、１つの教室の前で五条センセーが止まった


「ちょっとここで待ってて」


それだけ言って、教室へ入って行った


は？説明なし？待っててってどのくらい？


いい加減にしてくれ、と恐らく三度目のため息をつく


ま、ただ待ってても暇だし


私はゆっくりと、ドアに耳を付けた


「転校生を紹介しやす！！テンション上げて皆！！」


教室の中から、テンションが高い五条センセーの声が聞こえてくる


五条センセーの言葉に反して、テンションをあげる声は聞こえてこない


「テンション上げてよ···」


か細い五条センセーの声


そして───


「随分生意気な奴らしいじゃん。そんな奴の為に空気作りなんてごめんだね」


「例えお前のお気に入りでもな」


なんて、尖った女の子の声が聞こえてきた


もしかして、部屋が隣の女の子ってこの子？


あー···五条センセーは仲良くしろって言ってたけど、向こうが仲良くする気ないんじゃ、私も無理かなぁ


それに、かなりカチンときた


だる、なんて思いながら、もう数えるのを諦めたため息をつく


「入ってきてー！！」


テンション高い五条センセーの声が聞こえたけど、教室からは冷たい、歓迎されていないような気配が流れてくる


それを気にせず、ガラガラと教室のドアを開けた


堂々としてないと、舐められるからね

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