違うんだよ【狗巻棘】

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「アンタ、この間ナニかあったの？」


「こんなところに来てまで任務の話すんの？ヤタヤダ、頭痛くなる」


あれから数日後


私は、釘崎と出掛けていた


ほら、約束してたやつ


やっと取れた休日で、気分転換もかねて、かなりテンションがあがっていた


私も珍しく軽くオシャレをしてみた


といっても、ちょっとオシャレなTシャツにジーンズだけどね


あと、さすがに目隠しは怪しいからサングラス


なのにさー、釘崎は私の倍オシャレしてんの


かわいい服着て、髪も結って、化粧もして


かなり気合い入っていて、楽しみにしてくれていたことが分かり、私も嬉しい


私達は一日ショッピングを楽しみ、現在午後３時


私達は３時のおやつとしてパンケーキを食していた


「いいから話なさいよ。伏黒、ホントに機嫌悪かったんだから」


···伏黒、機嫌悪かったんだ


伏黒の好意を無駄にしたのは悪かったと思ってる


だけど、それと同時に、やっぱり話さなくてよかったとも思ってる


···だから、釘崎にも話したくない


「やーだよ。私にも釘崎にも、話してメリットってなくない？」


そうだけど···と唸る釘崎


「···でも、気になるじゃない」


そう呟いて、いちごをぱくりと口に入れた釘崎


「えっっ？それ私のいちごじゃない？なにナチュラルに盗んでんの？」


「いちご一つくらいかわいい後輩にあげなさいよ！」


なんでだよ


いくらかわいい後輩でも、ちょっとしか乗ってない貴重ないちごをあげる馬鹿がどこにいんだよ！


「っていうか、アンタいつまで私のこと苗字で呼んでんのよ！真希さんのことは名前で呼んでる癖に！」


「えっ、いいの？」


「いいわよ！」


そう言ってまたいちごをぱくりと口に入れた野薔薇


まっっってそれも私のいちご


「···なんかあったんでしょ、言いなさいよ」


その一言で、私達の空気が重くなる


私は、最後の一切れを口に入れた


「···なんでもないよ」


「そんなわけ、」


「私ちょっとお手洗い行ってきまーす。野薔薇早く食べてね」


···伏黒の時みたいに、逃げるのは本当はよくないと思う


だけど、逃げる以外の誤魔化しかた、私知らないんだよ


···伏黒といい野薔薇といい、今年の一年は察しがいいね

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