違うんだよ【狗巻棘】

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「Aさんつえー！あの呪霊を一瞬でさぁ！」


「爆発したのはどうやったの？」


「虎杖君よ、準一級を舐めてもらっちゃ困る」


「あの爆発はね、呪眼の力なんだよね。相手の目を見て、爆ぜろって念じたら爆発すんの」


高専へ帰る車内では、虎杖と釘崎がAさんを誉めまくっていた


それに満更でもなさそうなAさん


「なぁ！伏黒も凄いと思うだろ！」


虎杖が目を輝かせて、俺を見る


「···あぁ」


本当は、尊敬している


でも素直になれない俺は、素っ気ない返事をしてしまった


·


高専に帰った俺達は、家入さんの治療を受けた


顔を殴られ、爆ぜろという強い言葉を使ったAさんは、少し反動がきたようだった


「···大丈夫ですか」


静かに俺達を見ているAさんに問いかける


するとAさんはヘラリと笑って


「大丈夫大丈夫。こんな反動軽いもんよ」


と答えた


その誤魔化すような笑みに、


···本当は、キツいんじゃないだろうか


····無理、しなくてもいいのに


という考えが浮かんだ


「硝子さん、五条センセーどこにいるか知ってる？」


「さぁな。でも、高専内にはいるだろ」


「了解、ありがとう」


治療を終えたAさんは、医務室を出ていく


五条先生の所へ行くらしい


俺はAさんを呼び止めた


「Aさん！」


「ん？」


「···話したい事があります」


するとまたAさんはヘラリと笑った


「告白？」


「違います」


「分かってるよ。それじゃ、そこの空教室で待ってるわ」


ヒラヒラと手を振って、Aさんは医務室を出ていった


「···告白？」


「ちげぇよ。あとニヤニヤすんな」

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