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初めて見た
あんなに、冷静さを無くしたAを
任務から帰った教室
Aは医務室。教室には、私と、パンダと棘
『君が殺したんだったよね』
あの呪霊が言った言葉が過る
Aは、私達に自分の事を話さない
どこか壁があるようで
話してほしいと、思ったこともあった
だけど─────
私じゃあ、受け止めきれない気がして
聞けなかった
「パンダ、悟んとこ行くぞ」
「おう」
あの特級呪霊について話すため、私とパンダで悟に会いに行く
「おかか!」
教室を出る私達を、棘が止めた
「···棘。今のアイツに寄り添えるのは、お前しかいねぇ」
パンダが後ろで頷いた
「アイツを受け止めきれるのは、お前しかいねぇんだ」
棘の肩に手を乗せる
「頼むぜ、棘」
「···行くぞ、パンダ」
「あいよ」
──────なにが親友だ。親友失格だ
──
「未登録の特級呪霊────ねぇ」
今日あったことを話すと、悟は、なにやら考え込むような仕草をした
···なんだ?
その仕草に違和感を覚えながらも、私は続ける
「Aにしか目撃されてねぇから未登録だって呪霊本人が言ってたから、本当か知らねぇが、あの強さなら、特級でもおかしくない」
そう言うと、
「ソイツの特徴、教えてくれる?」
考え込むような仕草をしながら、悟は聞いてきた
「赤い髪に常に笑ってる口。んで厄介なのは、布で目を隠してやがることだ。だから、Aは呪眼が使えなかった」
「ふーん···目隠しねぇ···A対策をしてきたか」
答えると、悟はいつになく真面目な顔で、ボソリと呟いた
それを、私は聞き逃さなかった
「なに?」
「いや、何でもない。ありがとう、真希、パンダ」
私の言葉をはぐらかし、悟は私達に、早く帰れとでも言うような態度をとった
「────ソイツとAの間になにがあった」
勇気を出して、私が今まで、受け止めきれないと聞けなかったことを聞いた
すると悟は、またはぐらかした
「···なんにも」
「答えろ!」
それにイラついて、今まで聞けなかった自分にもイラついて。
つい大声を出した
「落ち着け、真希」
「あぁ、わりぃ」
パンダに言われ心を落ち着かせた私は、もう一度、悟に言った
「答えろ」
悟は、しょうがないというようにため息をついて、話してくれた
「···あれはAが、五歳の時の話だよ」
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征羅(プロフ) - ぷっちさん» 泣けるだなんて・・・ありがとうございます。その辺のキャラの感情を文字に現すのが難しくて自信が無かったのですが、そう言って頂けると自信が持てます。こちらこそありがとうございます! (2021年3月9日 0時) (レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
ぷっち(プロフ) - 凄く泣ける話ですね...。支えようとして支えきれなかった棘くんやパンダや真希ちゃんの虚しさや悲しさがとっても伝わって来てポロリと泣いちゃいました。これからどうなるのかが楽しみです!素敵な作品をありがとうございます!応援しています! (2021年3月8日 23時) (レス) id: 08c7b31625 (このIDを非表示/違反報告)
征羅(プロフ) - 鹿毛さん» こんにちは。そんなに褒めていただけてとっても嬉しいです!テンポ重視にしてるので、そこ褒めてもらえると嬉しいですね。尊敬なんてそんな・・・ありがとうございます (2021年3月1日 15時) (レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
鹿毛(プロフ) - こんにちは。セリフのテンポが良くて読みやすいです!特に4話のレントゲンの発想が今までになくておもしろいですね!パンダくんの「おまえ酷いこというな」の流れもとてもきれいに嵌まっていていてマジ尊敬です…… (2021年3月1日 14時) (レス) id: 67d713f823 (このIDを非表示/違反報告)
征羅(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます。原作メンバーが夢主をどう思ってるのかはもう少しして書こうと思っています。更新頑張ります (2021年2月28日 21時) (レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:征羅 | 作成日時:2021年2月23日 12時