検索窓
今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:39,758 hit

TEMPERANCE ページ35

.



ジンとの会合のあと、気になる車を数台撒いて、Aはようやく警察庁へ戻ってきた。


「…なんなの、訳が分からない」

「まぁまぁ先輩〜、疑われてなかったことを喜びましょうよ〜」


自販機で買った紙コップの珈琲を飲んで、Aは目の前の部下をじとりと見やった。

間延びしたように話す部下は、肉体勝負の──これは比喩でも何でもないのだが、とにかく身体に優しくないこの職場において、数少ない女性であり、Aが唯一職場で愚痴や弱音を吐ける捜査官であった。


「確かに、疑いが晴れたのならこれからも潜入し続けられるけどさぁ…」

「でしょ〜?こういう時は喜んどきゃあいいんですって」


ビタミンC補給〜と言いながらオレンジジュースを口に含む彼女は、派手な髪色も相まってあまり公安の者には見えないのだが、その容姿を利用して、Aとはまた別の場所に潜伏しているなかなか優秀な捜査官だ。


「というか…先輩って割とジンさんと仲良かったですよね?」

「まあね?でもさぁ、自分を信じてくれない人間を信じろーとか言われても、無理だよね」

「あぁー、それは確かに」

「そういう訳だよ」


なるほどなぁ、と目の前の部下は呟いて、ズゴーッと紙パックに入ったオレンジジュースを飲み干した。見た目がいいのにモテないのは、こういうところじゃないだろうか。


「っあー、許さん。今日は飲んでやる」

「怪我に響きますよぉ〜」

「忘れてた…」


空いてる右手で頭を抑え、Aは深いため息を吐いた。
左足の怪我はまだ完全には治っていないため、医者からはまだ禁酒が言い渡されているのだ。


「まぁまぁ、せーんぱい。ドクターストップ解除されたら奢ってあげますって〜」

「まじで?いいレストラン上げとくわ…」

「やった!先輩のおすすめのレストランってほんといい味するんですよねぇ」

「味にはうるさいからね、私」


こうして、口調のゆるい後輩とのゆるい雑談を終えて、Aは今日の会合の件を含めた今回の事件の報告書を作りにデスクへ戻って行った。




−+−+−
お久しぶりです。更新滞ってしまって申し訳ないです…あまりにも久しぶりで文章の書き方忘れました(自業自得)

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←LEFT ME OUT



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
172人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:i | 作成日時:2018年5月4日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。