SUSPICION ページ11
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「ありがとう、アン。今日は楽しかったわ」
「ええ、私もよ。また行きましょうね」
ベルモットとのショッピングを終え、彼女を送り届けたAは、車の中に盗聴器の類がないか調べたあとに、車を走らせながら降谷に電話をかけた。
「私だけど、今大丈夫かしら?」
ちょうどポアロのバイトが終わった頃にかけたつもりだけど。
「あぁ、今ポアロを出て車内にいる」
「OK。このあと私は警察庁に戻るつもりですけど、降谷さんはどうされるんですか?もし戻られるならそこで話しますが」
「いや、今日は戻れそうにない。ベルモットに呼ばれた」
その言葉にAは息を飲んだ。
…私が疑われているということは恐らく部下であるバーボンも疑われているはずだ。
「多分、私と同じ要件でしょう。どうやら私、ジンにNOCだと疑われているようで…恐らくバーボンも疑われているのではないかと」
「お前が疑われている?お前の存在はヤツらにとってメリットだ。疑う理由がないだろ」
「ジンは疑い深いですし、私は色々と胡散臭いらしいので、必然と言えば必然ですよ」
「…そうか、お互いに気を付けよう」
「はい。それじゃあ、失礼します」
「ああ」
NOCだと疑われている。
その事実はNOCである二人に重くのしかかった。
「っあー、暫く休み取れなさそう…」
電話が切れて、黒くなった画面に一瞥をくれてやって、ハンドルを握る手にぎゅっと力を込める。
死なせない、誰一人として私の仲間は。
そのためにやるべき事は…ひとまず情報の隠蔽と撹乱ね、と思考を巡らせ、家に置いてある大量の電子機器たちに活躍してもらうことを決めた。
−+−
一応補足しておきますね。
主人公ちゃんの口調ですが、アンジュとして話している時はゆるい喋り方ですが、秋間Aとして話す時は敬語になります(降谷さんに対して)。
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作者名:i | 作成日時:2018年5月4日 18時