第109話 ページ19
私、九条Aはある所に来ていた
「おかえりなさいませ。Aお嬢様。ご当主が奥でお待ちです。」
『分かった。案内して。』
………………本家に来ています。
「よく来た。座れ。」
『失礼します。』
この家の現当主、九条康彦
私の祖父に当たる。
「なぜお前をここに呼んだか分かるか」
『いいえ、分かりかねます』
「聡明なお前が分からないとは…………」
この人めんどくさいんだよなぁ。というか、親族全体的にめんどくさいし、関わり持ちたくないの、分かる???新年の挨拶にちょこっと顔出すだけで許してほしいんだが!!!!
「お前に何十個も縁談の話が来ている。どの殿方もいい条件だ。」
『丁重にお断りしてくださいませ。私の人生は私のもの。誰にも決められたくないです。』
「お前は九条家の人間だ。お前は私の選んだ道を進むのだ。」
『九条家の人間だから……………ですが、私の父は九条家の三男。しかもその"娘"である私は端くれでしかないですよね?お祖父様が女である私をこのご時世政略結婚に使うとも考えにくいですし、何が目的で?』
普通に考えてクソジジイを恋愛結婚させてる時点で三男は対して九条家で必要なわけではない。
九条家長男には息子が2人いてしっかーりご子息、ご令嬢が集まる由緒正しい学校に通わせてるし
次男にも息子が1人いる。
普通に安泰すぎるんですけど、なぜに縁談の話を持ってくるお祖父様は!!!!
ここで『付き合ってるダーリンがいますぅ♡』とか言えればめっちゃ楽だけど、こんな厳格なお祖父様の前でふざけた態度取ったら殺されるやばいて!!!
「やはりお前は頭がいいな。秀一の娘にしては出来が良すぎる。」
秀一はクソジジイの名前だよ!覚えなくていいよ!
『不出来な娘で不出来な孫です。』
「目的…………目的か、お前を九条の跡取りに………とずっと思っておったが、お前は九条に縛られたくない人間だからな。この縁談は丁重にお断りしておく。お前は自由に生きるが良い」
『ありがとうございます。』
……………そんなこと考えてたのお祖父様。
まったく、縁談とか焦るからやめてよね
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作者名:藍華 | 作成日時:2020年5月26日 18時