第72話 ページ28
私は九条家の一人娘として生を受けた。
元々九条家は五摂家の家の一つ。本家は相当大きいけど、私の父親はそこの3男だから家を継ぐとかはなく、私の結婚は政略結婚とかそう言うのではないらしい。
自分の好きな人と結婚してね♪とお母さんはいう。ぶっちゃけ恋愛結婚だったらしい家の親は。
小さい頃から政府のトップで働く父親の恥にならぬよう、茶道、華道、乗馬、お琴、日本舞踊、ピアノなどといった俗に言う"お嬢様っぽい"習い事を沢山して、良い成績を修め続けてきた。
本家的にもそれは嬉しい事で跡継ぎ候補にも名を挙げられたがさすがに女には継がせないと言うことで丸く収まっている。
小さい頃は乳母と過ごし、両親の愛情というものはあまり分からない。父親はずっと仕事。母親も海外を飛び回るデザイナー。まぁお母さんとは良い関係普通に築けてると思うんだよね
昔は家の外に出る時は誰かしら付き添いがいて、学校も車で登校。
"蝶よ花よ"
と育てられた箱入り娘で、今の家に沢山のお手伝いさんがいて、相変わらず父親も母親も帰ってこないけどそれなりに楽しくは過ごしてたんだ。
隣の家のがっくん………学秀とは遊ぶの許してもらえててよく遊んでた。
周りからは天才って呼ばれて育ち
才色兼備、頭脳明晰、容姿端麗みたいな………
褒められるのは嬉しくて、少しでも両親に振り向いてもらいたくて習い事も勉強も全部全部頑張った。
お母さんはすごく褒めてくれた。でも父親だけは絶対に褒めてくれない。
あぁ……どんだけ頑張ってもこの人には一生振り向いてもらえないんだろうなって気づいたのは小学校4年生の時くらいかな。
小4の時に、ピアノのコンクールで1位を取った。
でも、その結果が当たり前だというように、父親はすぐ仕事に戻った。
その時に習い事全部やめちゃったんだ
何にもやりたくなくて、世界が真っ白になって、私なんて要らないんだ。必要とされてないんだ。って思って自暴自棄になって自 殺しようと思ったこともあるんだよ？？
小学生でまだ早いだろって思うかもしれないけど、私結構大人びた性格だったから…………
そんな時に出会ったのが"歌"なんだ
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作者名：藍華 | 作成日時：2020年5月10日 17時
