第41話 ページ46
「じゃあ皆さん足元に気をつけて、さようなら」
「は、はい！さようなら！！」
「あ、九条さん、良かったら送っていくよ？乗りなさい」
『大丈夫です』
「そうか、じゃあ風邪を引かないようにね」
は、なんだあの人。思考回路おかしいんじゃない？
「人として立派だなぁ理事長先生。膝が濡れるのも気にせずにハンカチを。」
「あの人に免じて見逃してやるよ間男。感謝しろよ？」
「嫉妬して突っかかってくるなんて、そんな心が醜い人だとは思わなかった二度と視線も合わせないでね」
･
『前原、大丈夫？？ごめん。』
「A、ありがとな」
「「「前原！A！」」」
「お前ら見てたんかい、上手いよな理事長。絶妙に生徒を支配してる」
『いや、そんな事よりあの女！マジで無理キモいあんなビッチにうちの前原はやらん！！！』
ほんとに！ムカつく！どうしよう、どこにぶつければいいの！この怒り！
「………なんかさ、悲しいし恐えよ。ヒトって皆ああなのかな。相手が弱いと見たら俺もああいうことしちゃうのかな。」
『前原………』
ぷくうううううう
「うわぁ！殺せんせーふくらんでる！ふくらんでる！」
「仕返しです」
『え、』
「理不尽な屈辱を受けたのです。力なきものは泣き寝入りをする所ですが、君達には力がある。気付かれず、証拠も残さず、標的を仕留める。暗殺者の力が。」
なるほどね、さすが殺せんせー。
「屈辱には屈辱を。彼女達をとびっきり恥ずかしい目に遭わせましょう」
･
『ﾊｯｸﾁｭﾝ!!!!』
「うっわ、A大丈夫？」
『う、うん。多分大丈夫』
「普通におでこ熱いし顔真っ赤じゃん」
「Aさん！雨に濡れたから風邪を引きましたか！大丈夫ですか！先生、お家まで送りましょうか！？」
『あー、全然気にしなくて大丈夫です。日常茶飯事レベルなので』
まって、少し(だいぶ)雨に濡れちゃっただけで風邪引くとか何なんだ私は………天才なのかもしれん←
「お家までお送りします！業君も付き添われますよね？」
「もちろん、」
「では皆さん。お気をつけて！」
･
『わざわざありがとうございました』
「いえ、これくらいは当然です。ご家族の方は？」
『そろそろ帰ってくるんじゃないかな〜』
「そうですか、ではおだいじに」
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作者名：藍華 | 作成日時：2019年3月22日 18時
