【番外編】挙式(終) ページ38
「えー!伊黒が髪の毛切ってる!似合ってんじゃん!かっこいいかっこいい!」
「おい冨岡、この
私の台詞に、あからさまに煩わしそうな顔をした伊黒が冨岡に言う。
「すまない伊黒、俺にも手が負えん。それに、もう二人とも冨岡だ」
そう言う奴の最後の一言は何故か自慢げであった。先程炭治郎が禰豆子に注意した際も、実は少し嬉しそうだったのを、Aは見逃していなかった。
そんな冨岡の言い分には全く触れず、伊黒はそばにいたもう一人の男に助けを求めた。
「……不死川」
「いや頼む相手間違ってるだろ」
冷静な不死川の返答がその場に響き渡った。
Aは伊黒と初めて会った時、自分と同じか、寧ろ少し低いくらいの身長だった彼のことを少年と勘違いしていた。
『えー!こんな小さな子が蛇柱なの?』
その時の私の台詞が、伊黒の沸点に触れたことは言うまでもない。
まさか同い年であったとは。
それが原因で、冨岡同様、Aも目の敵の内の1人に認定されていたが、その後の対話で、Aの性格から、あれが嫌味ではなく全く悪気がなかったことを理解してくれたのか、暫くすると割と物腰はソフトになったのを覚えている。
それ以来、調子に乗ったAがしばしば伊黒を子供扱いするのは最早見慣れた風景だった。
「蜜璃から文を預かった」
そう言って手渡された手紙。
もうすっかり、伊黒が彼女を呼ぶのは名前になっていた。
この二人は実は入籍してもう一年が経つ。
式は上げず、今は他県の田舎で静かに暮らしていると言う。
渡された文には、お産で来れないことと、行けなくて残念であると言うこと、それから心からの祝福の言葉が綴られていた。
それを読み、Aの目元が薄く光る。、
「ありがとう。蜜璃ちゃんが手紙をくれた事も、伊黒が奥さんが大変なのに来てくれた事も本当に嬉しい。」
「まあ、そう言う事で、俺はこの後すぐ帰るがな」
「それでも来てくれてありがとう」
素直にお礼を言うAに、少し照れた様子の伊黒。
それに気づき、Aから笑みが小さく漏れた。
その時、Aの肩を誰かが掴んだ。
掴んだ人物は、案の定冨岡義勇であった。
「A、鱗滝さんのところへ挨拶に行こう」
「お、おう、そうだね」
何やらさっきからこいつの登場のタイミングが私が誰かと戯れている時な気がするのは気のせいか。
後ろで伊黒が深くため息をついたのが聞こえた気がした。
挙式【完】
ーー
(中途半端ですみません。他の人との戯れが書きたかっただけ。)
399人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めろん(プロフ) - 今まで読んだ全ての作品で1番良かったです。ここまで鬼滅の刃の世界観を崩さずに、作品を作れるのは本当に凄いです。作者様の鬼滅愛を感じました。良い作品を作ってくださってありがとうございます。本当に感動しました。 (2020年5月29日 0時) (レス) id: 81c5db83e3 (このIDを非表示/違反報告)
Hashida(プロフ) - 夢小説を読んでいてよく思うのは、(このキャラこんなこと言わないでしょ)というキャラ崩壊のガッカリ感で、よく萎えていたのですが、この作品は全くそんなことなくてとても面白かったです!もう1つの作品も大好きです!頑張ってください! (2020年2月6日 12時) (レス) id: 3c3060ecea (このIDを非表示/違反報告)
わか(プロフ) - かなえさん» 返信が遅れてしまってすみません。長文コメントありがとうございます笑 沢山の文字でとても嬉しいお言葉に感謝です笑 楽しんでいただけて良かったです^ ^ (2020年1月31日 14時) (レス) id: 195d1979fa (このIDを非表示/違反報告)
かなえ(プロフ) - ああああ、、、、、、!!たまに居る占ツクの文才作者や、、、。ついに鬼滅で見つけた、、、。しかも支部によくいる文章も書けて絵も描ける系のひとや、、、。あなたみたいな人を見つけることが本気稀にあるから占ツクも捨てたもんじゃないなって思います。長文失礼。 (2020年1月18日 20時) (レス) id: 507f83f0de (このIDを非表示/違反報告)
わか(プロフ) - 葉月さん» わかります笑 時々すごく面白い作品を見つけた時すごくテンションあがりますよね笑 葉月さんにとってそれがこの話であってくれたなら幸いです^ ^ コメントありがとうございました! (2020年1月16日 21時) (レス) id: d2a45a75c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:わか x他1人 | 作成日時:2020年1月3日 9時