予期せぬ問い ページ16
「じゃあ、私直接帰るから、ここらへんでバイバイ」
暫くして、Aはそう切り出した。
この後自分が何処へ向かうのかも、この人は知らないんだな、などと考えつつ。
「……次はいつ頃来る」
「は?」
確実に、次に来る台詞は「ああ」だと思っていたAは、かなり間抜けな返しをしてしまった。
何やら昨日今日で冨岡に幾度も驚かされている気がするのは気のせいだろうか。
そしてその都度、その冨岡は、Aの大袈裟な返答に機嫌を損ねている。
「いつ?え、義勇の家にってこと?」
「それ以外に何がある」
「あ、いやーそうだよねー……。次かあ」
次の訪問を尋ねるということは、少なからずこの男も自分の訪れを待っていてくれているということなのか?という都合の良い考えを掻き消しながら、今後の予定を頭の中で巡らせる。
正直言って、今の段階では分からないが正しい答えだった。
それに、昨晩と先程の会話から、少し訪問を控えようかと、今まさに考えていたところだったのだ。
なので、それを素直に伝えることにする。
「ごめん、いつ空いてるかはまだわからないや」
「仕事の都合か?」
「え、うん、まあ、そんなところ……」
どうして自分ばかりこんな狼狽えながら答えなくてはならないのだろう。
どうしたんだ昨日から。
「……Aは、今、何をしているんだ」
「……」
話の流れ的に、なんとなく聞かれると思っていた為、もうAは驚かなかった。
いや、驚かなかったのではなく、大袈裟な反応を取らずに済んだ、が正解だろう。実は内心かなり面を食らっていた。
「私、今は大名華族のお家で家庭教師してるんだよね」
大名華族とは、戦国時代の大名家に由来する貴族のお家である。
その言葉に、今度は冨岡が分かりやすく驚いた。
「家庭教師?……Aが、文学を?」
「いや、剣術……」
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めろん(プロフ) - 今まで読んだ全ての作品で1番良かったです。ここまで鬼滅の刃の世界観を崩さずに、作品を作れるのは本当に凄いです。作者様の鬼滅愛を感じました。良い作品を作ってくださってありがとうございます。本当に感動しました。 (2020年5月29日 0時) (レス) id: 81c5db83e3 (このIDを非表示/違反報告)
Hashida(プロフ) - 夢小説を読んでいてよく思うのは、(このキャラこんなこと言わないでしょ)というキャラ崩壊のガッカリ感で、よく萎えていたのですが、この作品は全くそんなことなくてとても面白かったです!もう1つの作品も大好きです!頑張ってください! (2020年2月6日 12時) (レス) id: 3c3060ecea (このIDを非表示/違反報告)
わか(プロフ) - かなえさん» 返信が遅れてしまってすみません。長文コメントありがとうございます笑 沢山の文字でとても嬉しいお言葉に感謝です笑 楽しんでいただけて良かったです^ ^ (2020年1月31日 14時) (レス) id: 195d1979fa (このIDを非表示/違反報告)
かなえ(プロフ) - ああああ、、、、、、!!たまに居る占ツクの文才作者や、、、。ついに鬼滅で見つけた、、、。しかも支部によくいる文章も書けて絵も描ける系のひとや、、、。あなたみたいな人を見つけることが本気稀にあるから占ツクも捨てたもんじゃないなって思います。長文失礼。 (2020年1月18日 20時) (レス) id: 507f83f0de (このIDを非表示/違反報告)
わか(プロフ) - 葉月さん» わかります笑 時々すごく面白い作品を見つけた時すごくテンションあがりますよね笑 葉月さんにとってそれがこの話であってくれたなら幸いです^ ^ コメントありがとうございました! (2020年1月16日 21時) (レス) id: d2a45a75c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わか x他1人 | 作成日時:2020年1月3日 9時