不器用な二人3 （レイ） ページ36
その瞬間、ガシッと後ろから腕を掴まれる。
そしてかなり強い力で引かれた。
「うおっ」
思わずバランスを崩す。
そんな私を、誰かが受け止めた。
しかし……
「ちょ、待っ、やばい」
「え、おい」
少し支えられたくらいでは安定しなかった私の身体は、受け止めてくれたその人ごと地面へ倒れ込んでしまった。
「いったあ」
「いや、確実に俺の方が痛いから」
その声に、目を開く。そして固まった。
すぐ目の前に今一番見たくない顔があった。
私受け止めたのはレイだったのだ。
私が走った後を、予想外にも追いかけてきていたらしい。そいつの息も少し荒かった。
ふと、下を見ると、レイの上に私が乗っかるような体勢で転んでしまっていた。
彼の言葉通り、よく考えれば、レイに守られてどこも打っていない身体に、痛いところはなかった。
慌てて私は立ち上がろうとした。
「うわっ」
しかし、それはレイに頭を押さえつけられた事により叶わなかった。
ポスッと顔がレイの胸元あたりに埋められる。
「レ、レイ！私重いから……」
「うん確かに」
カチン
自分で言い出した事でも、肯定されると腹立つ。
じゃあとっとと離せや！！
そう言おうとした時、レイが大きくため息をついた。
その息が私の頭にかかってドキッとする。
そして、不意にそいつが呟いた。
「お前、分かりづらすぎ」
「な、何が」
十分自覚のある私は、その意味を理解していながら、分からないフリをしてしまった。
そーゆーところを言っているのに。
「俺も人の事言えないけど」
「え？」
次のその言葉の意味は、本当に理解できずに聞き返した。
そんな私を支えながら、レイは体を起こす。
起き上がっても、私は相変わらず、レイの上で座る体勢でいる。
「汚な」
そう言って、私の前髪についた砂を払い出すレイ。
思わず目を瞑った。
さっきまで泣いていた顔をこんなに近くで見られたくなかった。
そんな私の気持ちを気にもせず、こいつは遠慮ない。
「ひどい顔だな」
「う、うっさい！」
目を閉じていても、レイのバカにした顔が思い浮かぶ。
その時、前髪をかき上げられた額に、優しく何かがそっと触れた。
「えっ」
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わか(プロフ) - 扇子さん» 好きだと思っていただける作品があってよかったです^ ^コメントありがとうございました。 (2019年2月22日 23時) (
レス) id: 0e40a74b11 (このIDを非表示/違反報告)
わか(プロフ) - レイ(現在アカ開けない)さん» こんにちは。コメントありがとうございます。2人とも最高の癒しですよね本当に笑 こちらこそありがとうございます！ (2019年2月22日 23時) (レス) id: 0e40a74b11 (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - はじめまして。短編すごくキュンキュンしました。特にノーマンの発熱が惑わすが最高でした。好きです。とても良いものを見せてもらいました。ありがとうございます。後編の方も楽しみに待ってます。 (2019年2月10日 1時) (レス) id: a5b4ebbb14 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(現在アカ開けない) - こんにちは、レイと同じ名前のレイといいます(笑)。小説面白かったです。ノーマンの笑顔ってもうかわいいことこの上ないですよね。レイでも癒やされノーマンでも癒やされました。有り難う御座いました。 (2019年2月8日 22時) (レス) id: bdf972c5dd (このIDを非表示/違反報告)
わか(プロフ) - テントウムシさん» コメントありがとうございます！ノーマンかっこいいですよね〜！癒しなんて言っていただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます！ (2019年1月19日 18時) (レス) id: 0a9329453a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わか | 作成日時：2018年1月20日 21時
