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発熱が惑わす4 (ノーマン) ページ18

「は?」


え?

数秒の沈黙。
いや、きっと数秒だったけど、私にはひどく長く感じた。


「い、今、なんて……」

そんな訳ない8割、でも、もしかしたら2割、そんな感情で聞き返す。


「もう一回、言ったほうがいい?」

ノーマンは呆れたように笑って、私を見つめた。
少し熱を帯びて涙目になっているその瞳に、ドキリとする。


心のどこかで、次の言葉を期待している自分がいることに驚いた。

しかし……



「もう言わない」

「えっ、えっ、なんで?」

「Aが僕は好きじゃない子のベットに潜り込むような奴だって思ってた事に傷ついたから。」

ニヤリと、意地悪そうに笑って言う。
そして焦る私。

「そ、それは……」

必死で言い訳を探すも、何も頭に浮かんでこない。

ああ、確実に今私は、熱が上がってる。

そう確信した。


すると、フワリと
突然頭を撫でられる。


どうしていいのか分からず、戸惑ってしまった。

その時、




「A、好きだよ」



ハッキリと、目を見てそう言われた。


……不意打ちすぎる。


身体中の体温がボンっと一気に上がるのを感じた。
そんな私の事を、やっぱりお見通しとでも言うように、ノーマンは微笑みながら見つめてくる。

……もう、やだ。




「さあ、早く寝て早く治そう」

「えっ、」

「まあ、別に僕はこのままずっと2人きりでも構わないけど」

「っ!!」

ノーマンは笑ってチラリとこちらを見た。
その言葉に、やっと自分の置かれている状況を理解する。

「ノ、ノーマン!自分のベットに戻って!」

「なんで?もういいじゃん」

「もう違う理由で駄目なのっ!!」

きっと顔が真っ赤な私は精一杯怒ってみせる。
そんな努力もむなしく、ハハハと笑ってノーマンはむしろ近づいてきた。

私もぐいっと引き寄せられる。
もうほとんど距離は無いと同じだった。

「…おやすみ、A」

そう囁いてノーマンは目を瞑った。

その後、私が眠れたのはかなり時間が経ってからだった。

偽る君1 (レイ)→←発熱が惑わす3 (ノーマン)



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設定タグ:約束のネバーランド , レイ , ノーマン   
作品ジャンル:アニメ
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わか(プロフ) - 扇子さん» 好きだと思っていただける作品があってよかったです^ ^コメントありがとうございました。 (2019年2月22日 23時) (レス) id: 0e40a74b11 (このIDを非表示/違反報告)
わか(プロフ) - レイ(現在アカ開けない)さん» こんにちは。コメントありがとうございます。2人とも最高の癒しですよね本当に笑 こちらこそありがとうございます! (2019年2月22日 23時) (レス) id: 0e40a74b11 (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - はじめまして。短編すごくキュンキュンしました。特にノーマンの発熱が惑わすが最高でした。好きです。とても良いものを見せてもらいました。ありがとうございます。後編の方も楽しみに待ってます。 (2019年2月10日 1時) (レス) id: a5b4ebbb14 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(現在アカ開けない) - こんにちは、レイと同じ名前のレイといいます(笑)。小説面白かったです。ノーマンの笑顔ってもうかわいいことこの上ないですよね。レイでも癒やされノーマンでも癒やされました。有り難う御座いました。 (2019年2月8日 22時) (レス) id: bdf972c5dd (このIDを非表示/違反報告)
わか(プロフ) - テントウムシさん» コメントありがとうございます!ノーマンかっこいいですよね〜!癒しなんて言っていただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2019年1月19日 18時) (レス) id: 0a9329453a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わか | 作成日時:2018年1月20日 21時

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