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127話 ページ12

私は恭介のために何も頑張った訳じゃないのに、私に向けられたお礼に罪悪感が込み上げてくる。



けど、この大きな罪悪感はきっと、それだけの理由で込み上げてきてる訳じゃない。




大河が買って来てくれた浴衣と、結んでくれた髪に。


少なからず昔より開いていた大河との距離が縮まった事を感じて、嬉しかった自分がいるからだ。




私は恭介の彼女なのに、大河との縮まった距離に嬉しさを感じるなんて最低すぎる。



いくら『好き』って感情がそこに無かったとしても、彼女という立場になったからにはダメだと。


そう思っているから、余計に罪悪感は込み上げてきて、私の胸の中に充満していく。




恭「何が違うの?」


「それは……」



聞き返す恭介に、この事を言うべきなのか、言わないべきなのか分からなくなる。



恭「怒らないから、言って?」


「……、恭介」



心配そうに私を見る恭介に、恭介には本当の事を言うべきかもしれないと思った。



やましい事があった訳じゃないし、そうなるには理由があったんだから。




言おう。


恭介には言うべきだ。




そう思って顔を上げた瞬間、全ての思考はストップした。



「恭介!!」



ただ、ヤバイという事だけは分かって、声を上げた。




恭介の後方に見つけた南ちゃん。

その南ちゃんの手を無理矢理に掴んだ見知らぬ男に、何か嫌な感じがして。




振り返った恭介は、青ざめた顔で、


恭「あれ……、南のストーカーだ」


そう呟いた。



以前、南ちゃんから中学の時にストーカー被害にあっていたと聞いてはいたけど。


あれが、そのストーカーなんだろうか。


恭「Aは危ないから、ここにいて」



走り出した恭介の背中を見送りながら、頭の中では色々な事が飛び交っていた。




ストーカーって本当にいるんだ、とか。



大河は一緒じゃないの?とか。



南ちゃんのもとに駆け寄った恭介は、そのまま男に詰め寄っていって。


恭介のその形相に、本当にヤバい状況なのだと実感し、微かに体は震え出す。



一度目を瞑り、深呼吸する。


少し心を落ち着けてから目を開けると、男が走りだした。


逃げるつもりだろう。それを追いかけて恭介もその場を去る。




南ちゃんの傍にいた方がいいよね。

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設定タグ:幼なじみ , 純愛 , 取り合い   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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めろんぱん(プロフ) - …いやー、ハマりました!ね! りょーくんさん、神すぎますね。見習いますね。 (2013年7月16日 17時) (携帯から) (レス) id: c6057a8c45 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りょーくん | 作成日時:2013年7月16日 16時

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