幼なじみは“危険”です８ (ページ7)

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１３７話ページ7

私たち４人の感情が、絡み合ってる。

それは誰しも気付いているだろうけど、その誰しもが解く術を知り得てなどいなかった。

その後、駆け付けた警察と、零夜先輩が話しを始めて。

事情を知りたいから、と言われた南ちゃんはお母さんに連絡をし、共に警察と神社を後にしていった。

残された３人の間に会話なんて無い。

記憶の引き出しの中に大切に閉まっている３人での過去。

その中に、こんな気まずさを携えた私たちはいない。

過去より成長した今の私たちだからこそ、抱えているモノがあって。

それを、どうするのか予想もできない。

そんな私たちに気を遣って、零夜先輩が私を家まで送ってくれた。

別れを告げられた恭介、その恭介を殴った大河と帰途につくのは気まず過ぎたから、本当に助かったし。

何かあったら相談にのる、とも言ってくれた零夜先輩には感謝してもしきれない程感謝してる。

ただ、他の人に気を遣われなくてはならない程に、自分たちの関係が変わっている事が。

悲しかった――――…。

―――――――――…

「ここに座ろう」

南「うん」

静かな図書館内で、隣を歩く南ちゃんが小声で言った。

この町に戻って来てから、図書館に訪れるのは初めて。

以前この図書館に訪れたのは、小学校２年ぐらいだったと記憶している。

８歳ばかりの幼い私は、絵本や児童書を借りる為に訪れていたから、自習室など、在ることすら知らなかった。

だから、いつもどのくらいの人が自習室を利用しているのかは知らない。

にしても、今日の自習室の利用者は多い方だと思う。

夏休みの終わりが差し迫り、宿題や課題を終わらせようとペンを走らせている人が大半を締めている。

空いている席は数少ない。その中の窓際の席に、私と南ちゃんは並んで座った。

同じバスに乗っていた恭介は、今、何をしているんだろう。

図書館前にバスは停まらないから、終点の市役所で私たちは降りた。

恭介は終点の市役所で私たちより先に降りていったけれど。

そこから、どこに行ったのかは分からない。

南「恭介のこと……、考えてる？」

「え……？」

南「なんか寂しそうな顔してたから」

「……まぁ、ね」

眉尻を下げて私を見る南ちゃんに、私はス、と視線を逸らして快晴の真夏の空を窓越しに見上げた。