恭介side ページ12
カフェを出て、大通りを通ってから帰途につく為、橋を渡っていた。
灼熱の太陽を浴びて煌めくその水面を見つめながら考えるのは、零夜先輩に紹介されて知り合ったカフェの店長の言葉。
カフェを出ると、店先の花に水をやっていた店長に言われたのだ。
『自分の気持ちは、大事にしなよ』と。
その意味深に思える言葉に、零夜先輩から話しを聞いているのか、と考えもしたが。
今は、そんな事は重要じゃない。
その言葉が頭の中をずっと駆け巡っているのは、きっと今、自分の気持ちを抑え込んでいるからだ。
恭「俺って、バカだな……」
ぼそり、呟いた言葉には当然返事はない。そう思っていたのに。
南「バカじゃなくて、逃げた、でしょ?」
ふいに返ってきた言葉に、驚いて足を止めると少しばかり息をきらした南が、そこにいた。
恭「南……?」
南「恭介は、逃げたんだよ」
逃げた、と繰り返した南に眉根を寄せる。
南「恭介は、自分が別れを告げられるのが怖くて、Aちゃんを捨てただけだよ」
恭「―――…っ」
返す言葉なんて、無かった。南の言う通りだった。
全てが、その通りだったのだ。
南「そう、でしょ?」
恭「……」
胸の奥に秘めておこう、と。誰も気付かないだろう、と。
そう思っていたのに、それを見抜かれて、なんて答えればいいのか分からない。
あの日、Aの本当の弱さに、強がりに気付いて、Aを腕に抱いたのは俺ではなく、大河。
それは紛れもない、確かな事実で。
Aの隣にいる俺より、Aを理解している大河に、怖くなった。
麻衣はいつしか俺から離れて、大河を選ぶ。そんな考えは消える事なく俺に付き纏う。
それならば、いっそ自ら手放そう。Aのためと言って、手放してしまおう。
そうして俺は、楽な道を、傷つかない道を選択した。
最低な奴だと分かっている。
好きならば、()を信じるべきなのに。逃げたのだ、俺は。
恭「俺は最低な奴だよ」
南「……そうだね。でも、それなら私も最低な奴だよ」
自嘲的な笑みを浮かべる南の言っている意味が分からない。
恭「なんで……?南は最低じゃない」
南「ううん最低だよ。だって私、Aちゃんは悩んでるのに喜んでた」
恭「喜んでた?」
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れいか(プロフ) - 一日でこんなにたくさん書けて凄いです!更新頑張ってください! (2013年7月18日 21時) (レス) id: 6987978d75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りょーくん | 作成日時:2013年7月17日 19時