133話 ページ2
カフェで知り合ってから、学校でも会うとは談笑したりしていたけど。
私服を見るのは初めてだし、その落ち着き溢れる双眸、そして姿に、やっぱり先輩だな、なんて実感してしまう。
零「今、警察呼んだから」
手に持った携帯をひらひらと振りながらそう言って、その言葉にこの場の張り詰めた空気感は少し和らぐ。
大河は零夜先輩に頭を下げてから、南ちゃんに歩み寄り、
大「一人にさせて悪かった」
南ちゃんを優しく抱き寄せた。
その光景に、喉は詰まって苦しくて、鏡を見なくても顔を歪めているだろう事は容易に想像がついた。
今回の事件の被害者は南ちゃんな訳で、警察を呼んだのだから、これでストーカー被害には本当におさらば。
今まで傷付き、不安にかられていた南ちゃんに、本当に良かったと感じてる。
感じてるけど。
私は?
私だって怖くて、怖くて仕方がなかったのに。
恭「A、南、大丈夫?途中で逃がしちゃって」
零夜先輩とはまた違う、聞きなれた柔らかさを持った声音。
そちらを見れば、予想通り恭介がいた。
恭「零夜先輩、連絡ありがとうございます」
零「平気、平気。警察も呼んだし、一件落着だよ」
携帯を閉じて石段を上がってきていたから、零夜先輩が恭介に連絡してくれたんだろう。
恭「A、首ケガしてる。大丈夫?」
迷うことなく私に向かって進められる恭介の足が、やたら嬉しくて。
「大丈夫」
それなのに、怖くて仕方なくて、落ち着いてきた頭は、大丈夫じゃないって。
南ちゃんだけじゃなくて、私も怖かったんだって叫んでるのに。
そんな強がりという名の嘘を吐いてしまったんだろう。
恭「大丈夫なら良かった。帰ったら消毒しよう」
「うん」
気付いてなんてくれる訳ないのに、恭介なら嘘だって気付くんじゃないかって期待してた。
バカだ。分かるはずないのに。
「待ってて」なんて言って南ちゃんの元へ行く恭介に、心中には寂しさが湧き上がる。
素直に涙を流す南ちゃんに、なんで私は強がってしまうんだろうって。
自分で自分が嫌になる。
と、涙が溢れそうになって、だけどそれを必死に堪えた。
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れいか(プロフ) - 一日でこんなにたくさん書けて凄いです!更新頑張ってください! (2013年7月18日 21時) (レス) id: 6987978d75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りょーくん | 作成日時:2013年7月17日 19時