優しさは、時に棘になる (ページ9)

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今日は定休日

忙しすぎて一気にきた疲れによって体が重たく感じる

昨日の夜、阿部さんに告白されたのを思い出した

「あっ、えっと、」

〈あ、いや、ごめん、、やっぱり疲れてるのかも、〉

そのまま逃げちゃうから結局、返事は出来なかった

「阿部さんおはようございます」

〈あ、おはよう！Aさん〉

昨日のことが嘘のような空気感

「私、外の掃除行ってきますね」

〈よろしく！怪我だけには気を付けてね！〉

カフェの外を出ると冷たい風が頬に当たる

北海道に来て一番不便なのがこの真っ白な雪

子どもだったら遊びたくなっちゃうんだろうな、、

「はぁ、終わった、、」

雪かきも終わり、カフェに入ろうとした

“なんや、今日定休日なん！？“

「えっ、」

聞いたことのある声に思わず横を見てしまった

看板を見て落ち込む2年ぶりの姿

私は焦って気づかないふりをしてカフェの扉を閉めてしまった

どうしてここに、

どうして彼がこんな所にいるの

〈Aさんお疲れ様！〉

「あ、はい、」

後ろを振り向くと既に彼の姿はなかった

きっと幻だったのかもしれない

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