優しさは、時に棘になる (ページ15)

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#15 ページ15

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風邪を引いて数日が経ち、すっかり元気になった頃

「ん？」

〈だから！Aの知り合い？こないだ会った男の人がここで働きたいって！〉

「阿部さん待ってください、よく分からないですけど」

働きたいってなに？阿部さんもおかしくなりました？

〈一応さ、人気も出て忙しいしスタッフほしいなって思ってたし、、〉

「いやでも、」

〈Aさんの知り合いでしょ？ダメかな？〉

知り合いも何もさ、私は彼から逃げてきたから北海道にいるんだよね、

「阿部さん、私には無理です。。彼のこと優しく接することが出来ないかも、です」

彼を忘れるためにここに来たはず、

〈なんで、〉

「なんでって、」

〈Aさんはさ、俺に何も教えてくれないの？〉

「え、？」

真剣な眼差しで私を見つめる

〈どうしてこんな寒い北海道に来たの？〉

「それは、、彼を忘れたかったから、」

〈彼って、あの男の人？〉

私は静かに頷いた

「好きだったけど、、彼は優しすぎるから苦しくなった、、だから逃げてきた」

私の頬が何故か冷たくなる

なんで涙が出てしまうんだろう

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