本当に武智? ページ37
柊「ちょっと遅めの俺の授業を始める。
礼、着席」
全員言われた通り立って礼をして席に着くと、今は切れているテレビに手を置いて言う。
柊「お前ら、ニュースは見たか〜?」
茅野「……本当に武智先生が澪奈のフェイク動画を依頼した犯人なんですか?」
浅見「武智先生は無実を主張してましたけど……」
宇佐美「武智とブッキー、どっちがホントのこと言ってるの?」
生徒達の疑問の目を一度ゆっくり見渡すように見てから、「そんなに気になるんなら、直接本人に確かめてみようか」と柊はポケットから携帯を取り出し武智に電話をかけた。
武智「もしもーし」
柊「あ、武智先生、戻ってこられたんですか〜」
武智「えぇ、たった今。本当はもっとファンと触れ合いたかったんですけどねぇ」
柊「今回の課題は武智にやってもらおうと思いましてね。
今夜8時までにすべての罪を自白してください」
武智「君もしつこいな……僕は何もやってない!!」
Aは「そういう否定が余計に怪しいってば」と小声でそう言うと、柊には聞こえていたのか一度目が合う。
が、直ぐに逸らされた。
柊「あぁ、そうだ武智先生。今SNSで面白い動画が出回ってるのはご存じですか?」
柊がそう言った時、携帯を取られていてSNSを見れない生徒達はなんの事だと言わんばかりに顔を見合わせたり柊の方を見たりする。
武智「えぇ、見ましたよ。景山が顔の見えない男と一緒にビルに入ってくやつでしょ?
何故かボクが疑われて困ってるんです」
柊「あれは恐らく景山澪奈が命を絶った直前の様子を捉えた防犯カメラの映像です。
実は景山澪奈が自 殺したと言われてるあの日、景山澪奈はフェイクの犯人に会いに行ったんです。
つまり、あの動画に一緒に映っている人物がフェイク動画の犯人かもしれないってことです」
武智「そんな馬鹿な!」
柊「もし8時までに罪を償う気がないのなら、貴方の『最も大切にしているもの』を奪います」
武智「大切にしているもの…?なんの事ですか?」
柊「それは8時になってからのお楽しみってことで。
Let's think」
柊はそう言って武智との通話を切った。
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作成日時:2019年2月3日 19時