トイレ ページ28
水越「…きっと澪奈の事もそういう目で見てたんだよ。でも、脈無しだからフェイク動画で排除しようと……」
水越の考えに真壁は「証拠はない」と言う。
熊沢「そうだよ。澪奈はちゃんと先生の期待に応えてたし」
水越は熊沢のその言葉が頭にきた。
水越「何それ、私は応えてなかったって言いたいの?」
熊沢「そういう訳じゃないけど、」
水越「期待すらされなかったヤツが偉そうな事言わないでよ!!」
「ちょっと水越ちゃん、それは……」
熊沢「はぁ?」
水越「っ……私がどんな思いで辞めたかなんて知らない癖に……!」
水越は教室に居ずらくなって出て行った。
熊沢は水越を追いかけようと席を立つが、「待て花恋、落ち着け」と真壁に腕を掴まれて止められる。
「……で、どうする?今犯人としては1番理由があるのは坪井先生だけど?」
宇佐美「涼音のこともだけど、そういうことがあったのなら澪奈にもされてた可能性はあるよね……」
坪井の上に〇を書くと、チョークを置いて「水越ちゃん心配だし行ってくる」と茅野に行って教室を出た。
携帯を隠し持っていた結城がトイレの個室から出てくると、そこには水越がいた。
驚いてバッ!とすぐに携帯を自分の後ろに隠したが、水越は気づいていた。
水越「…バレたらまずいんじゃないの?それ」
結城「お願い、誰にも言わないで」
水越「…なら……私の言う事聞いてくれる?」
結城「え……?」
「あ、みな___おっと、」
トイレに入ろうとした時、水越の姿が見えたので名前を呼ぼうとしたが、何やら話をしているようで咄嗟に隠れた。
水越「魁皇高校3年A組、元水泳部の水越涼音です。
私は水泳部の顧問坪井先生に執拗なセクハラとパワハラを受けました。
私に付き合っている男性が居ると分かった途端、水泳の練習にすら参加させてもらえず退部に追い込まれました」
少しトイレを覗けば、話す水越の前に携帯を水越に向けている結城がいた。
この水越の話しているのを撮ってマインドボイスにでもあげるつもりなのだろう。
水越「……きっと澪奈も同じ目に遭ったんだと思います。
フェイク動画を作ったのは、坪井先生に違いありません」
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作成日時:2019年2月3日 19時