六日目 ページ23
教室では柊のパソコンに映るヒーローの動画を西崎や柳本と見ていた。
西崎「カッコイイな..…」
柊「だろ?」
西崎や柳本はヒーロー動画に興味があるのかましまじと見ている。
堀部「これ、ガルムフェニックスですよね?」
柊「そうだよ。よく知ってるね」
「先生ってヒーローもの好きなんだ〜」
あまり知らない西崎が「ガルムフェニックス?」と尋ねると、堀部はそれについて説明する。
堀部「ガルムフェニックスって言うのは、スーツアクターのファイター田中が引退宣言を撤回してそれで急遽主役をやる事になったいわく付き作品なんですよ!」
柊「詳しいな〜」
堀部「あれ?何だっけその、主人公の決めゼリフって何だっけ……」
柊「そろそろ席に着こうか」
柊の声でぞろぞろと自分の席に座っていく。
柊「はい、起立。今日も俺の授業を始める、礼。着席」
全員がきちんと立って、礼をして、座った動作に「更生したなぁ」なんて思ってしまうのは仕方ないことだろう。
柊は全員が座ったのを確認して、マインドボイスの画面を見せてきた。
柊「今朝、これをSNSに投稿したのは誰だ?」
写真がアップされており、その写真は先生が三日目の犠牲者5人を爆破させた時に使った作り物の腕と脚だった。
「誰?」という視線が泳ぐ中、1人の生徒が低く小さく手を上げた。
柊「結城、指示があるまではSNSに投稿するなと言ったはずだ」
結城「でも、すっごいフォロワー増えました」
柊が「そういう問題じゃない」と言うと、結城は少し不服そうだが「...すいません...」と謝った。
柊は眼鏡を外して「さぁ〜盛り上がって行こうか!」と先程の声とは打って変わって弾んだ楽しげな声で言った。
そして誰かに電話をかけ始めた。
柊「おはようございま〜す!他の先生にも聞こえるようにしてもらえますか?」
少ししてから武智の「はい、どうぞ」という声が微かにだが聞こえた。
柊「皆さん、先日は突然のカミングアウトに驚かれたことと思います」
柊は教卓を歩き回りながら話す。
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作成日時:2019年2月3日 19時