逢沢 ページ13
そう言いながら柊が付けてた時計型の爆弾のリモコンを自分の腕に付けて皆に見せる。
一気に緊張感が走る。
甲斐「お前が内通者か」
宇佐美「何で逢沢が?」
逢沢「僕は先生に頼まれて、みんなのお目付け役として動向を見守って来たんだ。
先生は自分に万が一の事があったら僕に託すと言っていた。
だから先生が回復するまで、僕が代わりに役目を果たす」
甲斐が「お前そんなに景山の事が好きだったのかよ」と言えば、「そうじゃない」と逢沢はすぐに否定した。
その瞬間、甲斐の目は一瞬逢沢から逸れた。
逢沢「僕はただ真実が知りたかっただけだ。彼女をずっと撮って来たのに助ける事が出来なかった。
だから……」
逢沢の意識が甲斐に向いてる瞬間に、逢沢の後ろにいた石倉と須永が逢沢を取り押さえた。
逢沢は「離せよ!離せ!!」と必死で抵抗するが、先に甲斐が彼の腕から腕時計を奪った。
甲斐「お前に殺しはできねえ。だから躊躇する必要もねえ」
逢沢「ッ!!」
甲斐は逢沢の顔に拳を入れた。
そして扉の前にいたAのところへ行くと、彼女の腕を掴んで逢沢のところへ行く。
「え、ちょっと……っ!」
甲斐「お前らならロッカーも床の扉も開けられるよな?解除方法を教えろ」
甲斐はそう言ってAを逢沢の隣に投げた。
Aはガンッ、と肩あたりを壁にぶつけて「った……」と小さく声を出した。
逢沢「っ……」
逢沢は甲斐達には力では勝てず、そして内通者でもないAが巻き込まれるのは申し訳ないと思い、仕方なく解除方法を教えた。
皆自分の鞄や携帯を返してもらうと、すぐに親に連絡したりSNSにアクセスしたりしていた。
逢沢を見ればどこか暗い顔をしており、殴られたせいで口元が赤くなっていた。
「あーぁ、鍵、解除したんだ」
逢沢「……」
仕方ないだろ、と言わんばかりの逢沢の視線に少し笑って肩を竦めた。
美術準備室に繋がる床の鍵が開けられ、梯子を降りるとそこには『犠牲者』となった生徒が全員いた。
水越「良かった……!良かった、生きてて」
水越は生きている中尾の姿を見て、目に涙を浮かべて抱き着いた。
中尾「……ごめん心配かけて」
水越「上から何度も呼んだんだよ?聞こえなかった?」
中尾「いや、先生に黙って待ってるようにって言われたからさ」
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作成日時:2019年2月3日 19時