見た目によらずエリートなんで

エリートなんで36 ページ45

『プリンくん突き指してね？』


夜久｢マジかよ｣


『分かんないんですか？』


夜久｢分かんなかった｣


プリンくんはボールに触れる瞬間は顔を少し顰める


けれどそれは一瞬で、普通の顔に戻る


夜久｢研磨ぁぁ！｣


研磨｢！｣ﾋﾞｸｯ


夜久｢ちょっと来い！｣


研磨｢えぇ…｣

………
研磨side

何故か知らないけど夜久さんに呼ばれる


黒尾｢ケンメァ…何かやらかしたか？｣


研磨｢さあ


怒られるようなことはしてない｣


何したんだろ


夜久さんの元へ行く前に白鳥沢のマネージャーが来た


いや、今は音駒のマネージャーか


巾舞Aだっけ


あの人が俺に何か用があるのか


黒尾｢巾舞チャンじゃないの〜｣


『どうも』


研磨｢クロ、キモイからその喋り方やめて


って巾舞の顔が言ってるよ｣


『ちょぉぉぉい


確かに少し思ったけど、プリンくんの気持ちでしょ？』


研磨｢否定しない｣


黒尾｢えっ、少し思ったんだ


所で巾舞チャン、どうしたの？｣


確かにそれは思った


『あぁ…


プリンくん、突き指してるでしょ？


隠しても無駄だよ』


研磨｢げ｣


バレたし


できるだけ隠してたんだけど


黒尾｢お前突き指してたのかよ


早く言えよ〜｣


研磨｢タイミングがアレだったから無理だった｣


『もー、私が見てあげようじゃないか


ほれ、こっちに来な』


そう言って引っ張られる


まって、痛い、握力強くない？


『女子には禁句だぞー


痛かったなら言ってよね』


な ぜ 分 か っ た し


研磨｢エスパー？｣


『そうかもね』


そこは否定するでしょ


『はい、ここ座って


指出して〜


おい、出せ』


研磨｢めんどい｣


『やってもらうのにめんどいもクソもないぞ


ほら、！』


グイッと引っ張られる


同時に、巾舞さんの袖から痛々しい傷が見える


研磨｢……｣


本人は気にしてないのだろうか


それとも、隠してるのだろうか


思えば、彼女が合宿中に長袖長ズボンを脱いだところは見てない


きっと後者の方が正しいのだろう


できるだけ触れないでおこう……


『よし、もういいよ


早いけど休憩にしちゃおうか


後5分くらいだし』


研磨｢そうしよう｣


夜久｢そうだな


お前らァァ！休憩だぞぉ！！｣


そうして休憩になった

………
貴方side

まさか、見られちゃうだなんてな


彼は優しい人間なのか、傷の事を深くは聞かないでくれるっぽい


あ、名前知らないや


『プリンくん名前は？』


研磨｢孤爪研磨｣

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