第200話 ページ5
焔魔堂彼方side
現・土御門島。
星天の登り台。
「玄武【水】と青龍【木】は五行でいうところの相性バッチリの関係なんでっ」
「呪のバリアに当たった龍を威力割増超高金利で弾き返すっっ！！」
憲剛さんの術で創り出されたバリアに勘久郎さんの術が跳ね返って無数の攻撃が繰り出される。
一気に巨大なケガレを倒していく。
ドドドドドッ！！！！
攻撃しても次から次へと現れるケガレ。
二人は纒神呪を使用しているので呪力と体力の限界が近い。
コーデリアさんの天元空我もヤバい。
けれど、ギリギリまで持たせるだろう。
『繭......』
それより、こっちはいつ起きるか.....。
私の目線の先には気を失っている繭。
体の所々擦り傷を多い、気を失う衝撃を受けた。
「ｯ.....し......師匠！？それにかな姉に未来」
「おはようさん！やっと起きたぁ」
気を失っていた繭良が目を覚ました。未来のことを呼び捨てにしていることに驚きつつも頷く。きっと、私が知らない所で当主同士何か交流があったんだろう。二人とも同い年だし。
すばるさんが治癒の呪をかける。
「師匠が助けてくれたんですか.....！？」
「もうちょっとで治るよってにじっとぉしとき」
「す.......すみません。私.......十二天将なのに一番しっかりしないといけない時に」
「ほんとにだ。ケガレの大軍がなげきの台を破壊した時、飛天駿脚なり鎧包業羅なり自分の身を守ることを一番に考えるのに.......天若だけは皆を護ために攻撃の呪を呪装した」
『まったく繭らしいけど』
優しいね、繭は。
「そのおかげで自分がケガしとったら世話ないけどなあ」
「す......すみません」
「冗談冗談♡反省も後悔も後回し！早いとこ傷治して水度坂の坊らの助太刀に行くで」
「はい！─────！！師っ......！！」
「！」
『っ.....！』
ザッ！！！
「........ありがとうなぁ彼方はん」
『いいえ、余計なお世話でしたね』
すばるさんの後ろに現れたケガレを素早く呪装した私が斬った。けれど、すばるさんも瞬時に呪装していたので私が攻撃するのは余計だったかもしれない。
まぁ、でも......ビビった。
あっちの方の巨大なケガレの方に気をとられていたから、気を引き締めていかないと！
嫌な予感がますます強くなっていくし.....。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年10月1日 18時
