第230話 ページ35
「他のとこがどうでもいいんだったら、本当に放っておいてほしいならっ.....。そんな苦しそうな顔してんじゃねええええっ！！！！」
ゴッ！！
どさっ。
思いっきり頭突きをして、悠斗は後ろへ、ろくろは前へと倒れた。
「こんな所でっ.....終わりになんてさせないからなっ.....！！お前はっ.....まず雛月の皆に....死なせた人達にちゃんと謝れっ....お墓の前で手をついて.....ゴメンなさいって三回ずつ.....いや、十回ずつ言えっ！」
「はぁ？そんなことで罪が消えると思ってんの....？」
「ケジメつけろって言ってんだっ！！！！一人が嫌なら一緒に謝ってやるよっっ！！！！」
悠斗の胸元を引っ張り叫ぶ。
ろくろの言葉に悠斗は驚き目を見開いた。
「......い、意味が.....わかんないんだよ.....！！何で....何でろくがそこまでするんだよ.....」
「......それは昔一回言いましたから恥ずかしいんで同じ何度も言わせないで下さい」
──────────
「お前にはムカつきっ放しだけどやっぱ......こう同じ寮の仲間なんだし」
──────────
「(......誰も....何にも出来ないじゃないか。だから僕が....一人でやるしかなかったんじゃないか。話せば何かが変わったのかよぉ、誰かが代わってくれたのかよぉ.....)......！！」
ぐっ.....。
「..........ろく」
「！」
「辛い.....よ、ろぐ.....」
「......！！ｯ.....あっそ、だったらどうすんの？」
片目から涙を貯めた悠斗にろくろは言いはなった。
悠斗の脳裏にはあの日のこと。
──────────
「もし何か事情があって皆を遠ざけてるなら、しんどい時は肩貸すぜ？.....って思ってはいる....かな」
──────────
とん。
「＿＿＿＿＿ったく、手のかかる奴だなぁ。とりあえず、貸しひとつ────だぜ！？」
意識の失った悠斗は、ろくろの肩に倒れた。
悲しみを背負った悠斗。
彼の穢れは、ろくによって祓われたのか。
それはわからないけれど、
この先も悲しみは哀しみは、生まれ続けるんだろうと
私は思ってしまった......。
それでも光に向かって歩むことしか未来には
行けはしないのだから＿＿＿＿＿＿＿。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年10月1日 18時
