第227話 ページ32
「無茶しすぎだ、士門っっ！！本当に二度と戦えなくなったらどうするんだっ！！」
照算が言ったように士門が二度と飛べなくなることを危惧して、恵治は叫んだ。心配していることがわかり、士門は彼に心配はいらないと。
「大丈夫です。恵治さ.....────兄さん！！どれだけ大きな
「！.....あれはっ」
「朱雀明鏡符っ」
「白虎明鏡符！！」
士門の真上に彼方達にとって見覚えのある人影が現れた。
そして、構えているのは纏神呪の顕符。
士門と繭良は朱染雀羽・纏神呪、白蓮虎砲・纏神呪を発動させた。
「遅くなってすまない」
「ううん、来ると思ってた！私は″足″、士門は″頭″をお願いっ」
「わかってる、60秒で片を付けるっ！！」
二人はすぐに飛び出し、ケガレに向かっていく。
刀夜達、家の者達が二人の援護に回る。
「繭良様たちを援護だああああっ！！一瞬でもいいからデカブツの気を散らせえっ！！」
「今はこれが精〜一〜杯っ」
ギュルルル〜〜！！
勘久郎も残りの呪力を使い、繭良の援護をする。
「ありがとうございますっ皆さああああああん！！！！虎闢・須佐ノ男！！」
ズシャァァァア！！！
「今だよっ士門！！！」
繭良の攻撃が決まり、攻撃により生まれた隙を見逃さず士門が攻撃を仕掛けた。ケガレを祓い、纒神呪を解いた二人は地面に着地した。
「士門っお疲れ様」
「ああ」
肩で息をつく士門の元に繭良が来て、拳を合わせた。
『(なんか、妬けちゃうなぁ....)』
「(あの二人、見ないうちに息ピッタリになってきてる.....。姉様はちょっと妬いている.....)」
二人を見る彼方は優しそうででもどこか寂しそうな表情をしていた。自身の幼馴染が遠くに行ったように感じ、成長をしみじみ感じた精神年齢が高い彼方。
『繭と士門はよく一緒に修行してるから....、息もピッタリでいい感じだね.....』
「そうですね」
「彼方ちゃんも士門との息ピッタリじゃないか」
『そうだったら嬉しいですね』
未来も同い年の繭良が士門と共に修行しているのを知っている。繭良がろくろを好きなことも気づいているが言ってはいない。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年10月1日 18時
