第217話 ページ22
「.....はっ.....しょ〜〜〜もねぇこと.....言ってんじゃ......ねぇぞ。所詮.....俺は替えが......利く....」
「！？」
「変態メガネ男から.......特異点.......の話聞かされた.......だろ。ここで
それにこのことは有馬と同じで決まっていたという天馬にろくろは目を見開いた。
「─────！！」
「む......昔視た映像とは違ってる.....が....まあ、悪い気分.....じゃねぇ.....」
ぐっ....。
「めちゃくちゃにしてやりてぇっ......何も.....かも.....！！」
「........！」
「何も信じ......られねぇ......何.....も信じたく.....ねぇっ陰陽......師......も土.....御門......島.....も！こん.....な、くだらねぇ世界めちゃくちゃになれば......いい.....と全部消えて.....無くなればいいと......ずっ.....と思って.....た」
苦しそうに悔しそうに問いかける天馬にろくろはただ黙って聞いていた。
「なぁ.....お前....もそう....思うだろ...？」
「......うん、思うよ。.......でも、一つ聞いていい？」
「？」
ろくろの言葉に天馬は何も浮かばず、彼の言葉を待った。
「あんたにとって俺の......姉ちゃんは、どんな存在だった......？」
「......！！」
天馬にとって、大嫌いな世界で彼方はどんな存在だったのか。ろくろの大切な家族で姉の彼方は、天馬の事が好きだ。好きでいる彼方を天馬はどう思っていたのか.....。
＿＿＿＿＿＿＿鵜宮天馬......さん？
＿＿＿＿＿＿＿鵜宮君？
＿＿＿＿＿＿＿天馬！
＿＿＿＿＿＿＿天馬は優しいね
＿＿＿＿＿＿＿ありがとう、天馬！
「(なんで、こんな時に思い出すんだよ.....思い出しても......)っ........アイツは、彼方は......信じられなくなった世界で......俺の唯一....信じられる光だ..........俺の大切な....一番失くしたく.....ない奴......」
眩しそうに、優しい表情を見せた天馬。
彼方を見る目はいつも優しい事を知っていた。
優しくてどこか離れようとしている事も。
出会って彼方と一緒に過ごした数年間。
死んだと思った彼方が記憶を失いながらも生きていた事にどれ程嬉しかったか.......。
失えない大切な人。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年10月1日 18時
